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2007年05月12日

『チャングムの誓い』字幕スーパーノーカット版 全話無料視聴できます!

5月11日から「Yahoo! 動画」で、『大長今(宮廷女官 チャングムの誓い)』を無料で提供しています。
毎週(金)(土)(日)の三日間連続で更新されます。
現在、第1話から第3話まで視聴可能。第1話は5月16日までですので、お見逃しなく。
字幕スーパー版で、ノーカット、難しい用語の解説付きです。

吹き替え版とかなり印象が違いますよ!
テレビ放送で、大事なシーンをカットされて悔しがった方は、これでスッキリ。
韓国語でも、あちこち聞き取りが出来るようになっていること間違いなしです、不思議にも。

「Yahoo! 動画」DRAMA

2007年01月14日

日本人の好きな韓国ドラマNo.1は「チャングムの誓い」

チョットうれしい記事を見つけました。
12月14日に行われた韓国観光公社東京支社が実施の「韓流ドラマベスト10」イベントで、『宮廷女官チャングムの誓い』が堂々の1位になりました。
同イベントは、東京で暮らす男女3000人を対象に東京渋谷で行われたもの。『宮廷女官チャングムの誓い』は36%の支持を得て1位に。2位の『冬のソナタ』(19%)を大きく引き離しました。
女優で一番の人気も36%という圧倒的な支持率でイ・ヨンエ(チャングム)です。
なんとチェ尚宮(サングン)を演じたキョン・ミリが、9%の支持率で3位になりました。
悪党だけど憎みきれないキャラクターを作り上げたキョン・ミリのファンがこんなにいたなんて。
素顔のキョン・ミリは3人のお子さんを持つ主婦であり、美容院を経営する実業家でもあります。最初の予定では、ハン尚宮を演じるはずだったのが、チェ尚宮のキャスティングが難航し、監督の「大切な役なんだ」の一言で、キョン・ミリが引き受けることになったのだとか。
2位は『冬のソナタ』のヒロイン(ユジン)のチェ・ジウ(22%)、4位ソン・イェジン(5%)、5位キム・ハヌル(3%)、6位ハ・ジウォン(3%)。 そうそうたる顔ぶれです。
男優部門の一番人気はやはり、不動の人気を誇るヨンさま、ペ・ヨンジュン(23%)。
2位イ・ビョンホン(22%)、3位クォン・サンウ(8%)に続き第4位(5%)を獲得したのが、我らがチョンホさま、チ・ジニです。
チ・ジニは、「チャングムの誓い」後、数々のドラマ、映画に出演し、イメージにとらわれない役柄に挑戦していますね。
ドラマ「春の日」(日本の「星の金貨」リメイク版)で大沢たかおが演じた兄役でキャラクター作りに成功しています。第1話から、チョンホさまとは別人のチ・ジニに引き込まれました。
映画では『女教授の隠された魅力』でイメージとかけ離れた人気漫画家役で大人のラブコメディを、『Perhaps Love (原題:如果・愛)』香港映画では歌も披露、なかなかの歌唱力とのもっぱらの評判。映画『古い庭園』では1980年代、反政府運動の首謀者として逃亡生活を送っていた男を演じ、静かな感動作として話題になっています。今年1月の舞台挨拶には中国などからのファンたちが連日押しかける大変な盛況でした。現在は雀洋一監督のハードボイルド映画『壽(ス)』撮影中で、玄人はだしのカーチェイスを披露し、スタッフを驚かせているとか。

2006年12月24日

イ・ヨンエ 毎週会いたい韓国女優

「宮廷女官チャングムの誓いスペシャル 出演者の素顔」が土曜夜のチャングム枠で放送されました。チャングムの誓いが終わって数週間。イ・ヨンエに会いたくなってきた時期にグッドタイミングです。 
イ・ヨンエ、チェ尚宮役のキョン・ミリ、ミン・ジョンホ役のチ・ジニが素顔の出演です。
イ・ヨンエはNHKホールでファンミーティングを開いたときの映像からテレビで放送されなかった部分も今回紹介されました。
「皆さんにお会いするので、頑張っておめかししてきました」
と笑顔のイ・ヨンエさんは、ロングドレスで輝くような美しさ。
この年末に韓国で病院を訪問し、治療費の支払いが困難な重病患者のために寄付をしたときの姿は、グレーのひだスカートとカーディガン、淡い色のブラウス姿でした。
このコメントが素直に生きてきます。

「チャングムの誓いで残念に思ったことをお話します。それは・・
ミン・ジョンホと王さま、その三角関係、ロマンスがとても切なく美しいのです。
それを深く描けなかったのが残念です。
もし、もう一度やる機会があるならば、恋愛の部分をもっと増やしたい・・」
そうです。
もし、イ・ヨンエさんだったら、王さまとミン・ジョンホ、どちらが好きですか?
という質問に、チョッと困ったような笑顔をみせて、
「王さまのように、権力のある男性も魅力的です。でも、権力を持った男性に魅力を感じるのは一瞬だと思います。たった一人の人を愛し続けることが本当の愛だと思います。
ですから、私はもちろん、ミン・ジョンホを選びます。」
会場の男性ファンは大喜び。
わたしもここが聞いてみたかったのよね。ドラマでは、やっぱり一瞬は愛したのかと。

年末の29日22:00〜、30日22:30〜、「宮廷女官チャングムの誓い 総集編」が放送されます。1月12日(金)からはBS2で19:45〜、完全版が字幕スーパーで放送されます。

2006年12月08日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(46) 大長今 王の主治医(2)活人心方と養生訓

ドラマの余韻を楽しんでおりました。
終わりがよいドラマは長く楽しめます。

デジャングムが中宗王に勧めた健康法は「活人心方」の養生術。中国明代の道家である朱権が記した15世紀の明医術書によります。日本で言えばさながら貝原益軒の「養生訓」。

腸の弱い王さまは養生していたにもかかわらず、ついに腸閉塞という最悪の事態になりました。
可能性を探るチャングムが口にした「腹を切り開いて癒着したところを取り除く」方法は、またもや大臣たちの避難の的。口々に厳罰を要求する大臣たちに、中宗王は、
「余の主治医は医女デジャングム(大長今)である。医女デジャングムがこれまでというならこれまでであろうし、助かるというなら助かるであろう。ゆえに、そちたちは案じずともよい」。
チャングムはこのやり取りを漏れ聞いて、王の信頼に涙します。
王の間から下がる大臣たち。急先鋒のイ・グァンヒは、チャングムをにらみつけ、
「お前だけは未来永劫、絶対に許さぬ!!」
(この台詞、どこかで聞いたことが・・。
チェ女官長が、悪事がばれて刑罰を言い渡されたときにチャングムに向かって言った言葉と同じじゃないですか。)

「チャングムの治療を受ければもっと生きられるかもしれない、しかし、大臣たちは蜂の巣をつついたように反対するであろう。また読みきれぬほどの訴状を持って余に迫るだろう」。もうこれまでと腹をくくった王さまは、長官に密命を下します。

頭から袋をかぶせられて宮廷から運び出されたチャングムが連れて行かれた先は?
(日本では目隠しですが、朝鮮半島では伝統的に大きな袋を頭からすっぽりなのですね。余計なことかもしれません・・)

チャングムが丘を登り、眼前に開けた土地を見やると、そこには馬をつなぎ、畑を耕している男の後姿。夢に見、幻にも見たチョンホさまではないですか。

チャングムをつれてきた内侍から王の書状をうやうやしく受け取ったミン・ジョンホが読みすすめると、そこには王のミン・ジョンホにわびる気持ちとチャングムへの思いやり、そしてチャングムを託すことのできる最も信頼できる臣下としてミン・ジョンホを選んだ王の度量に満ちあふれていました。

内侍に伴われ、王命どおりに明国に急ぐチャングムとミンジョンホに追っ手が迫ります。
人相書きを手にした内侍は、
「元トンプスンジ、ミンジョンホ殿、王さまの最後のご命令を遂行せよ!」
宮廷に戻ろうとするチャングムに手を焼いているミンジョンホに、加えてさらに、
「王さまはこうなることを案じられて、私に必ず無事に逃がせよとお命じになったのです。
最後のご命令です! 王のお志を無にするのですか!!」
事態を収拾するために一身に罪を背負って流刑に甘んじたミンジョンホと王には、王と臣下の絆があったのです。悲しみを見せず主治医としてそばで王につくしたチャングムには愛おしさと感謝の念が。

「恐れも、寂しさも、悲しみも多い年月であった。だがそちが側にいたから多くに耐えられた。」
イイですねえ。

チャングムとミンジョンホは、逃亡者生活を続けながらしっかり子供も育て、人々に医術を施しています。チョンホさま、チャングムに敷かれていません?

ところで、気になる「活人心方」の邦訳は見つからず仕舞い。
「養生訓」はインターネットで見ることができます。部分的にはどこかで見聞きしていると思いますが、難しい東洋医学が分かりやすい言葉で書かれていますので、通して閲覧するのもいいかもしれません。
「養生訓」(中村学園大学ホームページです。ありがとうございます。)

2006年11月27日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(45) 大長今 王の主治医(1)

2007年1月からBS2で、字幕スーパー版が放送されることになりました。
最終回が終わっても、引きずっていたファンたちには朗報です。
吹き替え版では分かりにくかった東医学や薬草、薬など、字幕で確認しながら楽しめます。
カットはしないで全部放送してほしい・・。

今回は今回で、感動が薄れないうちに記録しておきましょう。

チョンホは、王にチャングムを主治医にすることを進言し、自身は重臣たちの標的になり流刑の身に。
追ってきたチャングムに
「お戻りを。王の主治医ともあろうお方が追ってきてはなりません。
今までの苦労がやっと実を結んだのです。投げ出してはなりません。絶対、絶対に。
これまでよりも更に苦しい道です。私的な感情は忘れなさい」
「チョンホさまは忘れられるのですか」というチャングムに、「とっくに忘れました」と冷たくいって見せるチョンホ。
「これだけはお持ちください」と、父の形見のノリゲを後ろでに縛られたチョンホに握らせます。

王に忠誠を尽くし、1人の女性を一途に思うが臣下が、王の愛する女性が自分の愛しい女性と知って、してあげられること。
大きな愛でチャングムを包みました。自分の身と引き換えに。

チョンホのいない宮廷で、デジャングム(大長今)の勤めが始まりました。
腸の弱い王に養生法を説き、貧しい民のために植物の種を配ることを提言し、菜園をいただき天然痘や多くの病の治療法を研究し、時折チョンホを思い出しては寂しさを打ち払い、明るく振舞うチャングムの日々。

2006年11月18日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(44) 愛し方 王の場合

ミンジョンホが王の部屋を去った後。
チャングムとミンジョンホが慕いあっている仲だと王に告げたヨンセンが、息せき切ってやって来ます。

「王さま、おろかな私をどうか殺してくださいませ。
チャングムとミンジョンホさまは、何の関係もございません。私の勘違いでございます。チャングムをお助けくださいませ。」(ヨンセン)
「スグォン、余を愛しておるか。」(王)
「は?」(ヨンセン)
「余を愛しておるか。」(王)
「ハ?」(ヨンセン)
「愛とは、愛し方とはいかなるもの・・」(王)
フフ、フフフフフと、吹っ切れたように王は笑います。

ああ、ヨンセン、愛なんて考えてみたこともなかったのね。

翌朝、長官が皇后さまに王の命令を伝えます。
「チャングムを側室にするのは取りやめよとのご命令でございます。」

王がチャングムに語ったこと。
「余は、最初にめとった后を追放し、その父を追いやって王の地位に付いた。
王の座には愛などという感情の入り込む隙はない。
追放された后が余を想ってイナン山の岩にチマをかぶせたが、この光景にすら目を向けなかった。目を向ければ臣下たちが、后に死刑を望むのではないかと恐れたからだ。
そうやって余は愛する后を失った。
それから数年。后と多くの側室を迎えた。しかし、それぞれの背後には、それぞれの勢力があった。
そんな余が、そちを愛するようになった。久しく訪れた感情であった。
だが、そちを側室には迎えぬことにした。
権力の狭間にそちを置くことはしたくない。そちの気持ちがないのに手に入れても仕方ない。
だが、余の側にいてくれ。そちが余の心の支えゆえ、手放してはやれぬ。
これが余なりの愛し方である。君主としての命令である。男としての願いである。」

中宋王は臣下に告げます。
「そちたちは、医女チャングムの功績を認めるか。」
しぶしぶ認める臣下たちに、
「王として、医術に抜きん出ている医女チャングムに正三品堂上官の地位に相当する大長今(テジャングム)の称号を与え、余の主治医とする。」
臣下の反対を避けるため、経国大典にはない位を医女チャングムに例外的に授け、世襲されないものとし、内医院の統括はせず、王の主治医だけをすることとした。
まだ反対しようとする臣下たちに、
「皆よく聞くがよい。余は余に与えられた権限をもって命ずる! これ以上の議論は無用だ。」

初めて見る王さまの毅然とした態度。
胸がすきました。

正三品堂上官とは、どのくらいの地位かと申しますと、大臣たちの次に位置する位だそうで、スグォン(ヨンセン)より、位が上です。

衣服を正したチャングムにミンジョンホが王の辞令を下します。

喜びに浸る間もなく、大臣たちはミンジョンホが王に女性を主治医にと進言したことを弾劾し、ミンジョンホの追放を要求して王に詰め寄ります。
「身分階級が崩れればこの国が滅びます。なにとぞ、お聞き届けください!」
中宋王は、
「よきに計らえ」
・・許してしまいました。

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(43) 愛し方 ミンジョンホの場合

チャングム、今夜いよいよ最終回。

ラブストーリーと思わず見ておりましたが、ここに来てミンジョンホの愛し方が心にしみてきましたので、記録しておくことに。

トンプソンジ、ミンジョンホの場合。
夜、王の元を訪れてミンジョンホが告げたこと。

「医女チャングムと逃げたことがございます。今逃げなければ医女チャングムと添うことは永久にできないと。でもその日のうちに戻りました。
その訳は、医女チャングムを愛おしく思うからでございます。
女人としてはもちろん、天から与えられた才能も、その才能をもってしても降りかかる困難、喜び、悲しみ、失敗も。一度目的を定めると決して揺るがぬ信念も。私にはどれも美しく大切なものだからでございます。
王様、私は医女チャングムのすべてを愛おしく思っております。
一緒になることができなくとも、行く先々に大きな悲しみや苦しみが待っていようとも、医女チャングムの進む道をさえぎるわけにはまいりません。
医女としての道が、医女チャングムそのものなのであり、医女チャングム自身なのです。医女チャングムは堂々と王さまの主治医になるべきなのです。
そう取り計らうのが私の勤めだと思っております。
また同時に医女チャングムへの愛し方なのでございます。
王様、私ミンジョンホ、この命を懸けて申し上げます。
どうか、医女チャングムに与えられた道を歩ませてください。王さまの主治医にご任命ください。わが国の歴史にその名を刻ませてください。それほどの人物であり、それほどの女人であります。
そのかわり、宮廷を混乱に陥れたこと、王様への数々の不忠義、すべて私が背負ってまいります。不届きな私ゆえ、たとえ打ち首を命じられましても甘んじて受ける所存でございます。すでに覚悟はできております。
臣下に君主の女人を思うことはできません。」

王は黙って聞いています。
皇太后からは、「側室にすればよい」と言われ、
皇后には、「チャングムが優れているから主治医になさりたいのはもっともでございます」と言われ、
チャングムには、「ミンジョンホさまをお慕いしております」

ミンジョンホの愛し方を知り、王さまの内で心は決まったようです。

2006年11月05日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(42) チャングムの医療は母の愛 でも困ったことに

第51話、東宮さまが天然痘にかかりました。
皇后さまは吾を忘れて、わが子の身を案じます。
同じ頃、天然痘にかかった貧しい子たちを、わが子のようにいつくしみ、治療するチャングムの姿がありました。
その姿を目にしたシン医局長は、声をかけずに静かに去ります。
「医術を施すものの真の姿を思い起こさせられた」と、
チャングムを擁護することに。

感染の危険も恐れず、「これが私の仕事ですもの」(チャングム)
仕事以上のものを感じます。愛がなければ・・。

「チャングムを余の主治医とする」発言は、皇太后さまの座り込み抗議にまで発展し、しぶしぶ発言を取り下げた王に、
「そんなにチャングムを傍におきたいのなら、側室にすればよい。」(皇太后)
大臣らは大喜び。
重臣らの猛反対の矛先は、チャングム昇進を擁護したチョンホに向けられました。

皆さん、こういうときは意見が一致するのね。

気を取り直して、日常に役立つ健康法を拾ってみます。
王の握りこぶしを見たチャングムの診断と健康法。
「裸足で散策をなさいませ。
肺の中の空気を全部押し出すように、息を長くおはきになってください。」
「王さまは、お話なさいますときに片方のこぶしを強く握り締めていらっしゃいます。
こぶしに力をいれていれば肩が張り、後頭部に痛みが出るため、常に不安を感じるようになり、よくお眠りになれないのでございます。
そうしますと、肝臓が侵され、お体が病んでしまいます。」
「以前王さまを診察した際に、七情欝結(しちじょううっけつ)が見て取れました。
七情欝結は体も心も傷つけてしまいます。」

チャングムはストレスと病の関係を、解りやすく話します。

「なかなか寝付けないときは、無理に眠ろうとせず、散策をなさってください。
お心にかかること、怒りは押さえつけず、信頼できる人に打ち明けてください。
お好きな絵を、またお始めになるのもよろしいかと。」

長官の部屋で、チャングムは王の生活上の注意をイキイキと語ります。
「王様に楽しいお話をお聞かせする人を、ぜひ、お傍においてください。
枕元にりんごを置くと安眠を促がします。召し上がっていただくのもよろしいです。
スラッカンに行って、サバやイワシなどの背の青い魚を料理に多く取り入れるようにと、おっしゃってください。
それから、夜の緑茶はいけません。」

長官は、一つひとつ嬉しそうに相槌を打ちながら聞いています。
長官さま、誤解なさらないように・・・。

'チャングム'の誓い52話/・「宮廷女官'チャングム'の誓い」51話「医術の心」/韓国女優イ・ヨンエ主演の「'チャングム'の誓い」が中東へ

2006年10月28日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(41) チャングムの生きる道

第50話で、ついにチャングムとミン・ジョンホが逃避行。
地位も名誉もすべて捨てて、チョンホはチャングムの望みをかなえようとします。
雪に覆われて滑りやすくなった小川をチョンホに背負われて渡るチャングム。チョンホの首にしがみつくしぐさが可愛いらしかった。
50話まで来て、やっと心から幸せの表情を見せてくれました。

ホッと心がぬくもる間もなく、チョンホとチャングムは迎えに来た右議政の説得で宮廷に戻ることに。
母と、母とも慕うハン尚宮の名誉を回復させるために挑んできた数々の困難は、チャングムをあまりにも大きくしてしまったのです。チョンホにも責任ある仕事があるのです。
チャングム、もうあきらめなさい。あなたには穏やかな日々は似合わない。

「チャングムを余の主治医とする」
王さまの一言で、宮廷はてんやわんやの大騒ぎ。
チャングムと王を引き合わせたことがばれたヨンセンは、皇太后から責められて、ショックから早産に。「淑媛(スグォン)は身重ゆえ・・」ととりなした皇后の気遣いのかいもなく・・。
風熱のヨンセンのお産は重く、何度も気を失ってついには脈も取れなくなり・・。
チャングムは薬房に駆け込み、とって返してヨンセンの鼻に気付け薬を吹き込みます。
幼い頃から苦楽をともにした親友を失うまいと必死に手当てし、呼びかけ続けるチャングムに、
泣けました。

鍼も打っていましたが、経絡やツボの解説もなく、もう一度録画を見直しましょう。

2006年10月18日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(40)チェ一族のいない今 薬はなくとも治療はできる

母とハン尚宮の汚名をはらして、安らぎのときを迎えたチャングム。
職を解かれ、王宮を後にしたクミョンは、何の後ろ盾もなく、どうやって生きていくのでしょうか。お金は持っているのでしょうね。自分の蓄え分くらいは残してもらっているのでしょうか。ミョンイ(チャグムの母)のように、ささやかでも幸せをつかんで欲しい。
(─心配性)

「王さま、私を活人層(ファリンソ)に送ってください」
チャングムは、市井の貧しい人々を治療する診療所への配置を望みました。

腫れ物ができ、痛みに悲鳴を上げる女性の膿を自分の口で吸い出し、
「吸うと痛みもなく、膿を全部出せますからね。
傷は、黄土水で消毒してください。高い薬を買う必要はありませんから。
黄土水を作って傷口を洗ってください。でも、必ず真鍮の器に入れてくださいね。
真鍮が毒を消して、いい水にしてくれるんですよ。」
どんな化学反応があるのでしょうか。
医女修練所で、薬になる土の講義がありました。(医女修行(22)薬の上中下

好黄土(良い黄土)
「地表から3尺のところにある水が染み込んでない土を使います。下痢と一緒に血が出る症状、熱毒でお腹が捻るように痛いのを治療したり、各種中毒や急な黄疸、高熱などを治療します。」(参考:大長今 MBC公式ホームページ)
黄土には殺菌消毒作用などがあるようです。

喘息の子の手当てには、
「焼いた蜂の巣の粉を重湯に混ぜて、少しずつ飲ませてください。
キキョウの根をおろしたものを一匙ずつあげて。」

チャングム・・・、分量がアバウトすぎます。
薬として精製されていないものは、分量はおおまかでも危険はないのでしょうか。
匙というのは、韓国の食事でご飯とスープを飲むときに使っている大きい匙のことですね。
キキョウ(桔梗)の根の成分と効能を調べてみました。

『根にはサポニンが含まれます。気道の粘膜の分泌を促がし、泡立ち作用があるので痰が出やすくなります。多量に飲むと吐き気を催すことがあります。』

・・分量は目見当でよかったようです。

2006年10月11日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(39)チェ一族とチャングムの確執の発端

チェ一族は崩壊しました。
六代の王に仕えたその秘訣は、時の勢力を見極めて、強いものに付くこと。
そのためには、王族の食事に毒を盛るなど当たり前。
内医院(ネイウォン)と結託するのですから、悪事はばれにくく、ばれそうなときはあらぬ嫌疑をかけて抹殺する。

チャングムの母ミョンイは、こうして毒を飲まされたのでした。

第48話を見て、第1話をあらためて見てみると、物語がよく理解できます。
中宋王の前の王(燕山君)の母が、賜薬(さやく;王が身分の高いものに下す毒薬)を飲み死んだときに、役目で赴いた武官の一人がチャングムの父チョンス。

燕山君(ヨンサングン)の悪政で宮廷内外に不満が鬱積しているときに、皇太后に毒を盛ったのが最高尚宮(チェゴサングン)の姪で、まだスラッカンの一女官だったチェ・ソングム(後のチェ女官長)。
チャングムの母ミョンイは、それを見てしまったのでした。
チェ一族と内医院他の勢力がぐるになってしていたことと知るよしもないミョンイは、逆にあらぬ嫌疑をかけられて最高尚宮の指示の元、女官たちに毒を飲まされたのでした。

「何もあそこまでしなくとも・・」(チェ・ソングム)
と最高尚宮に泣いて訴えた若き日のチェ女官長でした。
「やるなら徹底的にやらなければ。後に火種を残してはいけない」(最高尚宮)
のちのち、くり返しチェ女官長がクミョンに語る言葉です。

チョンスに助けられ、毒消しで息を吹き返したミョンイが見たものは、親友ハン・ペギョンからの手紙。
「ミョンイ、生きてるの?
生きているのね。不穏な動きに気づいたけれどどうすればいいか。
附子湯(ぶしとう)は、緑豆(りょくとう)で解毒できると言ってたわね。
でも、これで助かるか分からない。
生きているの? もし生きているならば私の言うとおりにして。
真相は分からないけど、私はあなたの無実を信じる。
だから、宮中へ戻ってはだめ。見つかってもだめ。
遠くに逃げて生き延びて。
そして、言われるがままに従うほかなかった弱い私を罰して。
いったいどうすればいいの・・。」

ペギョンは、毒の入った坪にこっそり解毒剤をいれ、ミョンイの帯に小さく折りたたんだ手紙を挟んでいたのでした。

ドラマがあまりにも長いので、このシーンはうろ覚えになっていました。
今見るとよく分かります。その後のハン・ペギョンとチェ・ソングムの生き方も、より理解が深まります。あわれです。

時の皇太后にはしびれの持病があって、チェ・ソングムが料理にふりかけた植物の粉は、熱を加えればしびれの薬になり、そのままでは毒になるというものでした。

2006年10月01日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(38)硫黄アヒル事件の真相と皇太后さまのニンジン

チェ一族、オ・ギョモらの悪事が明るみに出るときがきました。
ついに、ここまでたどり着けたチャングム。長い道のりでした。
チャングムの母であり、親友であったミョンイを一族のため手にかけなければならなかったチェ女官長の、苦悩が胸を打ちます。悪党なのですが・・。

チャングムからハン尚宮の汚名をそそいで欲しいと懇願された王は、
「ハン尚宮の恨みを晴らすには血の嵐を見なければならぬ」と動かずにいたが、ユンスの遺書なるものが表に出たのを機に、解明せよとの命を下します。

硫黄アヒル事件に関わった者たちが一堂に会して当時を再現。取調べを受けます。
「当時は狐惑病(こわくびょう)と分からず、傷寒証と誤診、附子理中湯(ぶしりちゅうとう)を処方。そのため王さまがお倒れになった。王さまに気力回復のため処方した附子理中湯が高熱を引き起こしたものと思われます」(ウンベク医務官)
ユンス医局長が自殺、チャングムの姿も見えない。
ウンベク医務官は、事件に関係してはいなかったが、チャングムから当時の様子をきいており、王さまの病歴も読んでいるので、参考人として出席。

チェ女官長、オギョモは、しらを切りとおします。

死んだと聞かされていた一同は、そこに現われたユンス医局長を見て驚愕します。
次回は一気にお裁きが下されるのでしょう。
クミョンが心配です。

今回、気に止まったクスリは、皇太后さまにシン医務官が処方したニンジンです。
「気力を回復し、胃腸の調子を整えます」(シン)

熱性(ほてり症)体質の人は避けること。
疲労が激しいとき、徹夜明けのときなどにニンジンエキスはよく効きます。
そのまま仕事に行っても、夕方まで普通にもちます。
湯に溶いて蜂蜜を混ぜてのむとおいしくいただけます。
蜂蜜だけで試してみましたが、多少は効きますが夕方までもちませんでした。

ニンジンの効能を調べてみました。
補五臓、安精神、定魂魄(はく)、止驚悸、除邪気、明目、開心益智。
久服軽身延年。(神農本草経)

薬理作用を調べてみると、
中枢興奮作用、中枢抑制作用、抗ストレス・抗疲労作用、強壮作用、男性ホルモン増強作用、代謝促進作用、放射線障害回復促進作用、脳血流量増加作用、記憶獲得作用、抗炎症作用、血圧降下作用、心循環改善作用、血糖降下作用、脂質代謝改善作用、血液凝固抑制作用、向精神作用、肝障害抑制作用、接触抑制作用、蛋白尿減少作用、神経成長促進作用、脂肪細胞への分化促進作用、抗老化作用、コルチコステロン分泌促進作用、抗胃潰瘍作用、腎透析時の愁訴改善作用、免疫賦活作用、抗腫瘍作用、細胞寿命延長作用、蛋白質分解抑制作用、抗菌作用。
(試験管内実験、動物実験段階での結果も含まれています。)

<'チャングム'の誓いの人気びっくり/<韓国料理韓国ドラマあらすじ/<明日から3日間、韓国です/<堕落・・・です。。。>/<'チャングム'>

2006年09月25日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(37)狐惑病の治療(3)

チャングムの原因究明によって砒素の蓄積と判明した王の病は、治療も功を奏して健康を取り戻します。
チャングムならではの、指の感覚の鋭さで捉えた王の病の原因とは・・。

「狐惑病(こわくびょう)に間違いございません。」(チャングム)
「お前は、狐惑病に用いない、防己(ボウイ)と紅参(コウジン)を使ったではないか。」(皇后)
「はい、狐惑病に間違いございませんが、原因は他にあったのでございます。
そのため、脾臓が傷んで食欲が落ち、傷寒証のような症状を呈したのでございます。
そして結局は、腸、さらには血、気まで侵し、視力を奪うにいたったのでございます。」(チャングム)
「なぜ、狐惑病には使わない薬を処方したのだ。」(皇后)
「脈診して肝経湿熱の原因が別にあるのではないかと・・。砒素による中毒でございます。
王様の皮膚病に効く温泉は、ごくごくわずかの砒素を含んでおりました。
王様は、温泉と同じ水源から引いた水を飲んでいる牛の乳を飲んでおられたのです。
めったに牛乳を飲めない庶民には症状が出ませんでしたが、毎日召し上がった王様は、わずかずつの砒素が積もり積もって肝臓を侵すことになったのでございます。
ですので、砒素を解毒する防己(ボウイ)と、膿を取り、気力と抵抗力をつける紅参(コウジン)を処方しました。」(チャングム)

特殊な事情が原因となっておりました。
「天晴れである。医局長でも分からなかったものを。見事である。」(皇后)
皇后様も、すべてをかけてチャングムに王様の治療を任せたのでしたね。

チャングム自身の命も、チョンホさまの命もかかっていました。
チャングムはピンチに強い!!

─それにしても皇后様、チャングムを牢に入れたり、出したり・・。
治療する者も、おちおちしていられません。

2006年09月19日

チャングム『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
医女修行(36)狐惑病の治療(2)

王の繰り返す傷寒証の治療に、チャングムは竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)を処方しました。
鍼を打つツボは、大敦(だいとん)、光明(こうみょう)、きょう陰、承泣(しょうきゅう)、さん竹(さんちく)、晴明(せいめい)。

関連の経絡を調べてみました。

・大敦(だいとん)=足の厥陰肝経;足の拇指外側爪根部。
     のぼせ、めまい、疲れ眼、偏頭痛、尿道炎。
・光明(こうみょう)=足の少陽胆経;
    外踝(そとくるぶし)から指幅5本分上方(ここで肝経につながっている)。
    視力が低下する目の症状に。
    疲労、寝不足から来るかすみ眼や充血はこのツボで肝経、胆経の流れをよくする。
・きょう陰=足の少陽胆経;足の第4指(薬指)外側の爪の生え際から2ミリ。
    偏頭痛。
・承泣(しょうきゅう)=手の陽明大腸経、足の陽明胃経;
    正視した黒目中央の下(眼窩下縁の中央)。
    眼の疾患、眼の疾患から来る前頭部の痛み。
・さん竹(さんちく)=足の太陽膀胱経;眉頭の内側端。疲れ眼。
・晴明(せいめい)=足の太陽膀胱経;目頭の鼻よりのくぼみ。
    疲れ眼、肩や首のコリ。

肝経、胆経、大腸経、胃経、膀胱経まで、ずいぶん広範囲です。いっぺんにやっちゃって大丈夫なんでしょうか。大丈夫でした。
大腸と肺は表裏一体の関係でしたから、この経絡で肺の治療まで含んでいるのでしょう。
チャングム、ウンベク医務官とシン医務官の診断は、肝経湿熱。弦、数(さく)の脈。
ユンス医局長の診断は、肝腎陰虚、虚熱。

実と虚の違いでした。反対の処方では患者もたまったものではありません。
狐惑病(こわくびょう)は、現代のベーチェット病に似ているようです。症状が多くて病名がなかなか分からない場合は、漢方を試してみるとよいのかもしれません。

日常に役立つ情報がありました。
眼精疲労のツボです。
パソコンで疲れた眼には、承泣(しょうきゅう)、晴明(せいめい)、さん竹(さんちく)を指圧する。
疲労、睡眠不足からくるかすみ眼は、光明(こうみょう)を指圧する。
さん竹(さんちく)、晴明(せいめい)は、目の下がピクピク痙攣するときにやさしく指圧。肩こり、頭痛とセットでくる人は、納得のツボですね。うなじから肩にかけて、両側のくぼんだところを指圧しておくと、より効果的。

チャングムは、王の首筋から背中にかけて指圧とマッサージを夜通し繰り返していました。重症の人の治療は大変です。

ところで、チャングムはクスリは防己(ボウイ)と紅参(コウジン)と決めました。
次回の謎解きが楽しみです。

2006年09月18日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(35)狐惑病の治療(1)

『チャングムの誓い』第44話・45話は、めまぐるしかったですね。チャングムは何度縄をかけられたのでしょう。チェ女官長もクミョンも牢を出たり入ったり。

皇后様の命を受けて、密かに王の病気の治療法を探していたチャングムは、ついに治療法を見つけます。
今度もお師匠さんのチャンドクが力になってくれました。

チャンドクは、王と同じように傷寒証を繰り返す患者を10人、菜園(薬草園)につれてきていました。
治療をするうちに、傷寒証の患者の中に、鍼を打ったあとが赤く膿んでいる者がいることにに気づきます。王の病状日誌にも「トゲが刺さったあと」や「小さな傷」が赤く腫れて膿んだと記されていました。

医女シンビが、王殿の担当だった医女から王が皮膚のトラブルが多いことを聞いてチャングムに知らせます。王と同様の症状のものは他の傷寒証の患者と違い、「口内炎がしょっちゅう出て、赤い発疹ができる。皮膚が敏感でそけい部に異常が出て、ひどくなると腸に穴が開き、視力が落ちる」のです。王の処方の目途がつきました。患者の回復を見てチャングムは喜びます。

王宮に戻ったチャングムは皇后に報告します。
「王様は、患っていらっしゃらないときでも口内炎ができたり、赤く腫れてしこりになるおできができていらっしゃいました。トゲが刺さった後も治りが悪く膿んだことがございました。鍼を打ったあとも膿んだことがございます。すべて同じ病からの症状でございます。傷寒証も皮膚病も原因は同じでございます。症状は突き止めましたが、病名はまだ・・・」(チャングム)
「狐惑病(こわくびょう)でございます」(医局長)

ここからが大変です。医局長とチャングムの治療方針が違います。
「金匱要略(きんきようりゃく)には甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)とあります」(医局長)
「いいえ、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)でございます。肝経湿熱によって起こる肝臓の失調だと思います」(チャングム)
「肝腎陰虚による肝臓の衰えだ」(医局長)
「お酒をたしなまれる上、国を治める激務が重なり、肝気が上衝し湿熱がこもったのです」(チャングム)
「傷寒証と燥証のくり返しで体力が低下し、陰の気が弱り、虚熱がこもったのだ」(医局長)

ウンベク医務官、シン医務官、ユンス医局長の3人で再度診察をすることに。

「肝腎陰虚とは思いませんでした。チャングムの言うとおり肝経湿熱かと思われます」(ウンベク)
「弦、数(さく)の脈。肝の気が滞り、熱がでるものと思われます・・・」(シン)

ここで、オ・ギョモの邪魔が入りました。

「治療を急ぎませんと、腸に穴が開き、横になっておれぬほどの激しい腹痛、呼吸困難、中風、さらには、さらには・・」
チャングムの訴えもむなしく、治療は医局長の方針で進められることになりました。

結果は、チャングムの予見したとおりの症状に、王は激しく苦しみます。
皇后様は、治療をチャングムにゆだねることに。

「クスリは竜胆瀉肝湯をお願いします。鍼は、大敦(だいとん)、光明(こうみょう)、きょう陰、承泣(しょうきゅう)、さん竹(さんちく)、晴明(せいめい)」(チャングム)
「危険すぎる。安全性が確かめられている治療法が他にないのか」(ウンベク)
「すでに腸と呼吸器にまで病いが広がっています。直接打たなければ効きません」(チャングム)

2006年09月07日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い 医女修行(34)飛龍とヤマブシ茸

傷寒証を繰り返す中宋のために、クミョンは明国から取り寄せた「飛龍」と「ヤマブシ茸」を料理します。
「“天では龍の肉、地上では馬の肉"と申します」。

「飛龍」は雷鳥の一種で雉にも似ている鳥です。
今では保護鳥だそうですが、中国東北地方の4大珍味に「飛龍」のスープがあり、淡白な味わいだとか。
「ヤマブシ茸」もその一つ。日本では、その姿かたちが山伏の服の房に似ていることから「山伏茸」といわれますが、中国では小猿の頭に見立てて、猴頭・ホウトウクウ)といいます。「シシガシラ」など地方によってさまざまな呼び名で食されてきたキノコです。
今では栽培に成功していてスーパーで容易に手に入ります。栽培中は白い色ですが、収穫して日がたつと薄茶色になってきます。
スープやすまし汁、炊き込みご飯、てんぷら、炒め物、マリネ、シチューなど、魚介や肉、野菜、豆腐などとの組み合わせで調理しやすいキノコです。
古くから健康食材として珍重され、免疫力を高める、活性酸素を除去する、ホメオスタシス(恒常性維持機能)効果を持つ成分が豊富に含まれるなどの研究結果が出ています。

クミョンの熱意のこもった料理も、中宋の病態の急変で食材に疑いをもたれる結果に・・。
医局長の責任転嫁、言い逃れ、チェ女官長との激しい攻防が繰り広げられます。
いつぞやは、ハン尚宮たちが「硫黄アヒル」で同じ目に合わされましたっけ。

ところで、クミョンが食材の説明を中宋にしていましたが、
「地上では馬の肉」とは?
馬肉は日本でも桜肉といって、馬刺しのメニューを掲げるお店も少なからず見られます。
世界的に見るとフランスなど食文化に密着している国や、嫌悪する国など両極に分かれます。
低カロリー、低脂肪、低コレステロール、低飽和脂肪酸、高タンパク、高ミネラル(鉄分、カルシウムなど)、ビタミン(A・B12・E)、グリコーゲン、ペプチド、リノレン酸などが多く含まれ、解毒作用、体力増強、免疫力向上などの面から女性や高齢者、体力の衰えた人に適した食材として注目されつつあります。

2006年08月27日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(33)妊娠中毒症 菊と梨

風熱体質のヨンセンの症状をわざと血虚と診断し、体に悪いものばかり食べさせるよう指示した医女ヨリ。
シン医務官ら皆の知るところとなり、「分かりませんでした」と無念そうに言うヨリは自分のキャリアに汚点を残すことに。
ばれぬはずがありません。妊娠して怖いのが妊娠中毒症。今も昔も変わりません。

妊娠中毒症は高血圧、蛋白尿、浮腫が特徴。
腎臓の機能が低下すると血液中のたんぱく質が尿中に漏れ出ます。
この時代尿検査の代わりとなるものは何だったのでしょうね。脈診だけでしょうか。

チャングムがスグォン様(ヨンセン)に出す飲食物を指示します。
「菊の花のお茶をお出ししてください。風熱の頭痛に効きます。
油っぽいものは絶対にだめ、塩辛いものもいけません。食事は野菜、果物を中心にして豆、豆腐、脂身の少ない魚をお出しして。体に熱がこもってはいけないので梨の果汁を飲ませてください。
梨は熱を冷ますだけではなく、利尿作用があり、むくみに効果があります」

食材だけで妊娠中毒症を回避できそうです。薬は必要ないのかも。

二人きりになったチャングムに、ヨリは「やってくれたわね」。
今回は言われっぱなしのチャングムではありません。
「亡きチョン尚宮様も、ハン尚宮様も、人の口に入る料理を利用して権力と富を得るものを許しませんでした。料理でさえそうなのに、人の命を扱う医術を行うものなら、なおさらです。チェ女官長にお伝えください。
私は亡きチョン尚宮様やハン尚宮様のように、やすやすと濡れ衣を着せられたりしません。」

ヨリの表情は何を語るのでしょうか。
「あなどれないわね」、そして「チャングムさん、あなたも何かあったの?」
複雑な反応でしたね。これまでヨリは憎たらしいだけの存在でしたから少し見方を変えていいかもと思わせるシーンでした。ヨリの人物像に少し人間味が加わったようです。

2006年08月20日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(32)懐妊 血虚と風熱

第41話で特別尚宮のヨンセンは懐妊し、淑援(スグォン)の位を与えられました。
女官長より上の位です。
ミン尚宮はヨンセン担当の至密(チミル)尚宮になり、身の回りの世話をすることに。チャンイも厨房の女官になりました。
王の汚物担当からやっと開放です。満月の夜の特訓(呼吸法と鼻声も?)が、実を結びました。
周囲の女官たちは許しを請います。チェ尚宮(女官長)、クミョン(最高尚宮)らは、ひれ伏して礼(チョル)をします。意地悪されて虐げられていたので胸のすく思いですが、敵はそのまま引き下がるわけも無く・・。

ヨンセンの専従医女になったヨリの見立ては、血虚。処方は当帰芍薬散。
当帰芍薬散は、体力があまりなく、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすい人に向く処方です。ヨリは「血虚を改善するため」と、牡蠣、牛乳、卵、えび、魚などを毎日出すようにスラッカンに指示します。

ところが、ヨンセンはしきりに体の不調を訴えます。
「めまい、頭痛、耳鳴り、眼がかすむ。首筋がつっぱり、横になっていてもめまいがする」
「ただの頭痛ではなくて、首筋が突っ張る頭痛なのですね」
チャングムにいやな予感が。脈を診るとヨリの見立てとは違って「風熱」です。
ヨンセンの母親も「めまい、頭痛、耳鳴りがし、出産の前月には手足がむくみ、出産のときは気絶と発作をおこした。出産後は中風になり・・・・」
─これって妊娠中毒症の子癇発作じゃありません?

チャングムはシン医務官に血虚と風熱の違いを確かめます。
シン医務官「両方とも動悸、頭痛、めまいが起きる。血虚の頭痛は頭の前のほうが痛み、顔色は黄色い。風熱の頭痛は首筋が突っ張る頭痛で、顔は上気する。やせていても遺伝性のものなら風熱の症状がでるし、妊娠自体も危険。風熱には牡蠣、牛乳はよくありません。塩辛いものもいけません。」

ヨリとチェ女官長、クミョンの会話。
「このまま栄養を摂り続けると、そのうち呼吸が困難になってきて発作が起こり、麻痺が起きるでしょう。胎児はまず助かりません」

─ああ、(ここのところ、チャングム風に)
ヨリは、血虚体質に見えるヨンセンの外見を利用して、人知れずヨンセンと胎児を亡き者にしようと謀っていたのです。
チャングム、よくぞ見破った。

2006年08月14日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
医女修行(31) 食中毒

疫病の蔓延した村に取り残されチャングム。
第40話では、ミン・ジョンホと師匠のチャンドクに助けられながら、疫病の原因を突き止めます。
症状は、下痢、発熱、吐き気、腹痛。
一緒に暮らしている人や、乳飲み子にはうつらない。

原因は病気にかかった野菜でした。植物の伝染病は人にはうつらないが、食べると症状が出る。伝染病にかかった野菜を多く食べた人が発病したのです。

チャンドク「村人たちは、毒草を食べたのと同じことになる」
チャングム「ショウガ、クズ、オケラの根を煎じて飲み薬を作ります」

〇ショウガ=ショウガ科ショウガの根茎。漢方の生姜(ショウキョウ)です。
   解熱、鎮痛、せき止め、抗けいれん、抗炎症作用などに用います。
   ドラマでは、「腸の毒を消す」といっていました。
〇クズ=マメ科クズの根。漢方の葛根(カッコン)です。
   発汗、解熱作用にすぐれ、消化管運動亢進作用、血圧効果などがあります。
〇オケラ=キク科オケラの根茎。漢方の白朮(ビャクジュツ)です。
   体内の水分代謝を正常に調節します。健胃、発汗、利尿作用があります。

身近に手に入りそうなものばかりです。
生姜湯、葛湯などは、風邪をひいたときにも飲みますね。
オケラはとてもおいしいそうす。種まきか株分けで簡単に栽培できるということなので、
庭のある方は、食材をかねた薬草として栽培してみてはいかが?

ところで、チャンドクが作った丸薬には何が入っていたのでしょうね。

ウンベク医務官が、
「ショウガ、ニンニク、緑茶を普段から多く摂るものは発病しない」
といっていました。
食中毒防止にショウガ、ニンニクを食べましょう。
食後は緑茶を一服。

それにしても、今回のミン・ジョンホには惚れ惚れしましたね。
馬を飛ばすシーンからずっと流れるサウンドは『ハマンヨン(何茫然)』。


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2006年08月13日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
医女修行(30) 生薬の七情(3) 十九畏

化学変化で、毒性が増す可能性があるので同時に用いないよう伝えられている19種類(十九畏)の生薬は、以下のとおり。

「十九畏」

硫黄(いおう)と朴硝(ぼくしょう)
・硫黄=イオウ。鉱物。
・朴硝=天然の含水硫酸ナトリウム。

水銀と砒霜(ひそう)
・水銀=銀白色の光沢を持つ液状金属。現在は薬用には用いない。
・砒霜=三酸化砒素、亜砒酸。

狼毒(ろうどく)と蜜陀僧(みつだそう)
・狼毒=トウダイグサ科の多年草の根。
・蜜陀僧=酸化鉛。

巴豆(はず)と牽牛子(けんごし)
・巴豆=トウダイグサ科の常緑高木、ハズの種子。排毒用峻下剤。現在では薬用利用されない。
・牽牛子=アサガオの種を乾燥させたもの。

丁香(ちょうこう)と鬱金(うこん)
・丁香=フトモモ科の常緑樹で、ツボミをガクを乾燥。クローブ。スパイスとして使われる。
・鬱金=ショウガ科の植物で、ウコンの根茎。ターメリック。スパイスとして使われる。

川烏(せんう)、草烏(そうう)と犀角(さいかく)
・川烏=キンポウゲ科の多年草の根。烏頭(うず)。トリカブト。
・草烏=キンポウゲ科の多年草の根。烏頭(うず)。川烏より毒性と効能が強い。
・犀角=サイの角。

牙硝(がしょう)と三稜(さんりょう)
・牙硝=亜硝酸ナトリウム。
・三稜=カヤツリグサ科、ウキヤガラの塊茎。

肉桂と赤石脂(しゃくせきし)
・肉桂=桂枝。シナモン。ニッキ。
・赤石脂=紅色の鉱石。ハロイサイト。

人参と五霊脂(ごれいし)
・人参=ウコギ科の多年草。オタネニンジン。
・五霊脂=オオコウモリ科オオコウモリの糞便を乾燥したもの。


「十九畏」で、容易に手に入り、食材に使われる生薬は、
丁香(ちょうこう)と鬱金(うこん)だけのようです。
クローブとターメリックを同時に使ったカレー料理などには要注意。

五霊脂は、第36話で皇后さまが双子の一人が胎内で死んだまま残っていたときに用いられた「失笑散」に含まれていましたね。
水刺間(スラッカン)ではきっと、料理にニンジンは使わないようにと内医院(ネイウォン)から指示があったのでしょうね。

「十八反」「十九畏」の配合禁忌は絶対的なものではないようで、禁忌を無視した方剤があります。その場合は、「慎重に安全性を確認しながら用いるべきである」ということです。

2006年08月12日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(29) 生薬の七情(2) 十八反

薬効を弱めたり副作用を増すので、同時に用いないように言い伝えられている18種類(十八反;じゅうはっぱん)の生薬は、以下のとおり。

「十八反」
烏頭(うず)との組み合わせ禁忌
 烏頭=キンポウゲ科のトリカブト。
・貝母(ばいも)=バイモ。別名アミガサユリの球茎。
・括桜(かろ)=括桜仁、括桜実、括桜根。ウリ科の多年草。キカラスウリまたはオオカラスウリ。
・半夏(はんげ)=サトイモ科多年草、カラスビシャクの塊茎(外皮を除く)。
・白斂(びゃくれん)=ブドウ科のつる性の落葉低木、カガミグサの根。
・白及(びゃくきゅう)=ラン科の多年草、シランの球根。

甘草との組み合わせ禁忌
 甘草=マメ科の多年草の根。オレンジ色のユリに似た花を咲かせる。
 飴などによく添加されて使われている。
・甘遂(かんつい)=トウダイグサ科の多年草、カンスイの根。
・大戟(だいげき)=トウダイグサ科多年草のタカトウダイやアカネ科の多年草紅芽大戟の根。
・海藻=ホンダワラ科ホンダワラの全草を乾燥。
・芫花(げんか)=ジンチョウゲ科の落葉低木、フジモドキの花蕾。

藜蘆(りろ)との組み合わせ禁忌
 藜蘆=ユリ科の多年草の根と根茎。シュロソウ。
・人参(にんじん)=ウコギ科の多年草。オタネニンジン。
・沙参(しゃじん)=セリ科のハマボウフウの根および根茎。
・丹参(たんじん)=シソ科の多年草、タンジンの根。サルビアの一種で、淡い紫の花を咲かせる。
・玄参(げんじん)=ゴマノハグサの根。
・苦参(くじん)=マメ科久良良(クララ)。道端、河川敷などに自生する多年草の塊根。
・細辛(さいしん)=ウマノスズクサ科ウスバサイシンの根。  
・芍薬(しゃくやく)=ボタン科のシャクヤクの根。

ここで日常用いられそうなのは、甘草と海藻の組み合わせ。
他は、なかなか手に入りません。

括桜(かろ)の「括」は、木偏です。

2006年08月11日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(28) 生薬の七情(1)

漢方薬に入っている生薬には組み合わせの原則があります。
生薬の配合の相互関係を七情といいます。

食材として口に入る機会も多い生薬について調べておくと、体調を整えるのに役立ちそうです。
健康管理のために、食べあわせをチェックしておくことにします。

単行=1種類だけの生薬を治療に用いる
相須=2種類の生薬が協力的に働いて、薬効を高めたり新しい薬効を引き出す関係
相使=いくつかの生薬を配合することで、1種類の生薬の薬効を、より高める関係
相殺=ある生薬が他の生薬の毒性を弱めたり消す働き
相悪(そうお)=ある生薬が他の生薬の薬効を弱める働き
相畏(そうい)=配合すると化学変化で、毒性が増す可能性のある関係。配合禁忌
相反=相反する作用で、薬効を弱めたり副作用を増す関係。配合禁忌

気をつけるのが相畏と相反の2種類。

相反は18種類(十八反)の生薬が、相畏は19種類(十九畏)の生薬が、組み合わせて用いないよう、古くから言い伝えられています。

2006年08月06日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(27) ウコンと丁香

第39話でウンベク医務官が、
「鬱金(ウコン)を処方するので、料理には丁香(ちょうこう)を使うなといったのに」
と指示の不徹底をしかっておりました。

ウコンと丁香は、取り合わせがよくないようです。

ウコンは、ショウガ科の植物で、根茎を干して使います
英語ではターメリック。スパイスとして使われています。
カレー粉の黄色い色は、ウコンの色素成分によるもので、タクアンもウコンで色づけされています。
肝機能障害の改善に有効な成分です。
ウコンの精油成分は、健胃作用、殺菌作用、防腐作用、
抗がん作用、コレステロールを溶かす働き、血管修復作用、炎症や潰瘍を治す働き、強心作用などがあります。

丁香は、刺激的で甘い香りがし、料理や菓子の香りづけによく使われています。
別名、クローブ。
フトモモ科。10mにもなる常緑樹で、開花直前のツボミをガクと共につみ取って乾燥させたものをスパイスとして使います。
漢方では消化器系を温める作用、健胃作用、吐き気、シャックリを止める、防臭、防虫効果などがあり、おもに芳香性健胃薬として用いられます。

ウコンも丁香も性質がよく似ているようです。

生薬はおたがいにどのように作用しあっているのでしょうか。

漢方の生薬には、七情という薬物配合の相互作用の関係があります。
相須、相使、相殺、相悪、相畏、相反、単行の七つ関係です。

このうち、薬物配合の禁忌(配合すると危険)とされるのは、相反と相畏です。
相反は、配合すると毒性が増強する関係。
相畏は、配合すると化学変化で、毒性が増す可能性のある関係。

ウコンと丁香は相畏の関係にある組み合わせでした。

2006年08月01日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
医女修行(26) 月の精気と陰の気

ミン尚宮は、ヨンセンに月の精気を取り込む訓練をほどこしていました。

「月の精気を取り込み、陰の気を体に満たす」
と、どんな効果があるのでしょうか?

あやしげなおまじないに見えますが、
東洋医学オンリーの時代ですから、何かあるに違いない。

というわけで、「月の精気」と「陰の気」を調べてみました。

ミン尚宮の指導は、
「口を月に向かって大きく開け、月の精気を深く吸い込んで、体の下のほうに陰の気を溜めるのよ」

「気」は先天の気と後天の気に分けられます。
先天の気は、生まれながらに持っている生命力。
後天の気は、飲食物や呼吸から後天的に得られる生命力。


[キーワード] 夜・月・暗・寒・肺・下

これらは陰陽に分類すると、すべて陰に属します。

気を体内に取り込んでいるのですから、「経絡」に関係しているに違いありません。
経絡は「気」の流れる道筋のこと。

「陰」に属して「気」に関係している経絡は十二経絡のうち、「手太陰肺経」と「足少陰腎経」。

肺の働きに注目
 呼吸と全身および五臓(肝・心・脾・肺・腎)の機能(気)を支配
 下方に降下する生理的運動の方向付けを支配
 音声、皮膚・体毛を支配

腎の働きに注目
 生殖と成長発育のエネルギーを貯蔵
 水分代謝 
 体内の陽気の根本で性機能と生殖能力のみなもと
 骨、骨髄、脳、耳、髪と深いつながり
 腎は呼吸と関係が深い


ミン尚宮は、健康法をよく研究しています。
ヨンセンに陰の気を取り込ませて、腎の働きを整えさせていたのでした。

それにしても、上目づかいとはな声の特訓は・・
ヨンセンは王の前で、ミン尚宮に教わったばかりの接し方で一生懸命に。

ぎこちないヨンセンに吹き出しました。

2006年07月31日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(25) 脚気入心と丸薬(2)

チャングムは、お菓子のようにおいしい丸薬をつくります。
この材料なら、私も・・

[材料] ニンニク・緑茶・米糠・干しナツメの果肉


各食材の成分と薬効

・ニンニク:漢方の生薬名は「大蒜(たいさん)」
  ニンニクに含まれるアリシンという成分が、幅広い薬理効果を持っています。
  新陳代謝を促し、体力増強や疲労回復効果、抗菌活性作用など、
  様々な効果を発揮します。
  加熱すると、臭いは弱くなるが、抗がん作用もなくなるという研究結果も。
    
・ナツメの果肉:漢方の生薬名は「大棗(たいそう)」。
  種子は生薬名を酸棗仁(さんそうにん)といって酸味があります。
  大棗は、強壮作用・鎮静作用、補性作用・降性作用をもち、
  胃腸が弱い、食欲不振、下痢などの消化器系の不調を整える。
  果糖、ブドウ糖などを多く含み、甘い。
  ビタミンB1、Cやカルシウム、鉄、リンなども含む。

・米糠:米糠にはチアミン(ビタミンB1)が多く含まれる。
  ニンニクに含まれるアリシンと結合すると吸収効率がよくなります。
  ビタミンB1は、脚気の特効薬です。
  食物繊維を多く含み便通を整えます。
  食後の血糖上昇抑制、血中コレステロール値低下、血圧降下作用などがあります。

・緑茶:緑茶に含まれるフラボノイドに消臭効果があります。
  他にカテキン、ビタミンC,ビタミンB群、アミノ酪酸などを含む。
  抗酸化、抗突然変異、抗がん、血中コレステロール上昇抑制、血糖上昇抑制、
  血小板凝集抑制、抗動脈硬化、抗菌、腸内細菌叢改善、抗アレルギー作用など。

材料すべてに薬効がありました。

[作り方]
蒸し器に緑茶を入れ、その上にニンニクを乗せて蒸してつぶし、生薬でもあるナツメの果肉で甘く味付けをして、米糠を練り合わせると食感は栗の実のよう。

お菓子作りの上手なチャングムならではの丸薬でした。

皇太后様の脚気入心(かっけにゅうしん)は無事治まって、食欲も出て薬湯も飲み下せるようになりました。

2006年07月30日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(24) 脚気入心と丸薬(1)

「皇太后様は、突然意識が朦朧となり、うわごとを言い、重湯も戻してしまわれました」

医務官たちが治療方針を検討しているところに、付き添っていた医女が容態の急変を知らせます。

下腹部に感覚がない、ひざと足首が曲がりにくい、脚がむくんでいて力が入らない。
微熱・悪寒・発汗がある。
脚気(かっけ)でした。
治療を拒否している間に、脚気は一気に進行し、ついには心臓が肥大し、脚気入心(かっけにゅうしん、脚気衝心)になってしまったのでした。
死亡することもある、重篤な容態です。


『家庭医学百科』で「脚気」を調べてみると、
項目がありません。
「栄養障害による病気」の項に、ビタミンB1欠乏症として出ていました。

症状は、
「下肢がだるく、疲れやすい、手足がしびれる、動悸がする、動くと息切れがする、食欲不振、下肢のむくみなど」があり、
「さらに進むと足を動かす力がなくなり、膝蓋腱反射(腱反射)が出なくなり、また視力も衰える」。
「昔はかっけ衝心といって突然胸苦しくなり、心臓マヒで死ぬことがあった」
と出ています。

チャングムは皇太后様の偏食に気づきます。
もともと、脾臓と胃が弱く、消化吸収に問題があるうえに、病状によい食べ物はことごとく嫌い。

チャングムは、スラッカンで鍛えた料理の腕と食材の知識で、
お菓子のようにおいしい丸薬をつくります。

材料:ニンニク・緑茶・米糠・干しナツメの果肉。


2006年07月26日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(23) 衰弱した患者への処方は?

薬を受け付けないまでに弱ってしまった皇太后様には、どのような治療をするのでしょうか。

「処方も大事だが、処方をする時期も大事」とユンス内医官長。

皇太后様は持病(胃と脾臓)に加えて、老衰による気力体力の低下、手足が急にこわばる、息切れ 動悸、腎虚からくる腰痛、視力の低下、お血(けつ)による全身のしびれ、関節炎の悪化、肝臓も悪い。

持病がすすんで、他の臓器まで悪くなり、さまざまな症状が一気に現われている状況。

「鍼を打ってみては?」と医女長。
「鍼は危険。気力が衰えているときは逆効果になる場合がある」とウンベク医務官。

「現われた症状だけを見て治療してはいけません。
病とは急いでも治るというものではありません。
しばらく様子をみて、すべての症状を治癒できる薬の処方を考えます」と主治医のシン医務官。

シン医務官の処方を見る前に、西洋医学と東洋医学の違いを少し調べてみることにします。

漢方薬
 多数の有効成分を含んだ生薬の組み合わせ。
 生薬の薬能が複雑に作用しあって協力的に働く。
 作用は全身に及び、自然治癒力を高める。
 経験により危険な薬物は使われなくなっている(数千年にわたる人体実験済み)。
 体質と症状により処方。

西洋薬
 合成された単一成分(の薬がほとんど)。
 実験的に研究された薬理作用。
 特定の部位に働き、薬の用量に伴った作用の発現。
 作用の強さに比例して副作用も多くなる。
 症状による病名で処方(同じ病名には同じ薬)。



陰陽五行、経絡、気血水などを調べてきていますので、
東洋医学の生薬が病態にどのように効いていくのか、おおよそのイメージはできますね。

皇太后様のように、たくさんの症状を抱えた病人には、西洋医学の処方では薬を飲むだけで、もっと病気が増えそうです。

一つの薬ですべての症状が治まるとしたら、衰弱した患者には福音です。

2006年07月24日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(22) 薬の上中下

医にランクがあるのなら、薬にも。

最古の薬物書で、全365種の生薬が三ランクに分類されています。
中国の後漢の時代(西暦1〜2世紀ごろ)に書かれた神農本草経(しんのうほんぞうきょう)という書物にあります。

本草(ほんぞう)とは、生薬(しょうやく)のことで、天然由来の医薬品をいいます。
植物、鉱物、動物由来のものがあり、経口剤か貼付薬としてのみ用います。

上薬=上品(じょうほん)は120種。君薬.
長期間、多く服用しても無毒、無害な養生薬。寿命を延ばす長生薬。

中薬=中品(ちゅうほん)は120種。臣薬。
服用の仕方によって毒にも薬にもなる生薬。病気を癒し、体力を増強する。

下薬=下品(げほん)は125種。佐・使薬。
病気を治療することを主としているため、毒性は強く、長期間服用してはならない。
身体的な苦痛を取り除く。

神農本草経には、上薬、中薬、下薬の配合比率が表されています。
処方は、君臣佐使(くんしんさし)の治療法則に基づきます。

君薬は主証にもっとも有用な主薬。
臣薬は君薬を助けて効果を高める薬。
佐薬は君薬を助け、随伴症状や合併症を治療したり、主薬の毒性を緩和する薬。
使薬は諸薬を調和させ、薬物の作用を疾病部位に誘導する働きをする薬。

漢方薬は、複数の生薬の組み合わせによる相乗効果で、よりよい治療が可能なのです。


チャングムの第33話で、シン・イクビル教授が、修練生たちに薬として使う土について質問していましたが、
神農本草経にもかまどの灰についての記述がありました。
下品に分類されていますので、用いるには充分な注意が必要ということです。

ちなみに、韓国の「東医宝鑑(とういほうがん)」では土について18種類言及されているそうです。
東医宝鑑は、1610年に許浚(ホジュン)が完成させた実用的な医学書で、朝鮮医学の集大成といわれ、中国、日本でも広く流布したということです。

「湯液編(全3巻) 薬物に関するもの」の巻1に土部という項目があります。

伏龍肝=古くなった釜下の焚口の土。
東壁土=東側の一番早く日の当たる土壁。
西壁土=日が沈むころ日光があたる壁の土。
好黄土=良い黄土を一メートルくらい掘ったところの、水のしみこんでいない土。
赤土
白亜=白土。焼いて粉にしてから、沸騰した塩水に漬けて天日干し。

・・・・・

イメージがわきません。
土壁の家も現在はみられないし、かまども今は使っていないので、
応用不能。

2006年07月23日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
医女修行(21)食医

皇太后様の容体は思わしくありません。

皇太后は王の政策をくつがえそうと、治療を拒みます。
チャングムは賭けを申し出ます。
謎が解けたらチャングムは罰を受けます。
謎が解けないときは、皇太后様は治療を受けることに・・

「その方は古くからの食医でした。またその方は、一家の僕でした。
あらゆるつらい仕事を引き受け、同時に家族全員の師匠でもありました。
その方が生きている間は、この世は山であったが、
なくなると水に沈んだということです」

さて、その人の名は。

皇太后様は答えを言わず、治療を受けることに。

謎のはじめに、「古くからの食医でした」とあります。
謎の人物は、「偉大な方」のようですから、「食医」も偉大な存在に違いありません。

調べてみると、「医」にもランクがありました。
食べ物で治す食医が一番、薬を使って治す疾医が二番、外科的な治療をする傷医が三番、獣医が最後です。
東洋医学は陰陽五行の思想が根底にあり、獣は人の下にくるわけです。

中国の周の時代に、皇帝の健康を守る最も重要な任務にあたる「食医」の存在が記録されています。
「未病を治す」は名医、発病してから直すのは凡医とされていたということからも、
食の位置づけがうかがえます。

食も薬も源は同じ、食により、病を未然に防ぎ、健康を増進する。

医食同源という言葉は、薬食というと、西洋薬の薬と混同されそうなので、
誤解を避けるために作られた日本の造語である、という語源の研究をみつけました。
医食同源の思想−成立と展開http://www.hum.ibaraki.ac.jp/mayanagi/paper04/sinica98_10.htm

言い方はともかく、考え方は同じということで、納得。


謎の答えは、母でした。
王の前でチャングムに謎解きをさせているときの皇太后様の眼差しに、涙。
第37話の泣かせどころでした。

治療の中断中に、皇太后様の病状はすすみ、薬湯も受け付けず、深刻な状況に。

シン・イクビル教授は、
「しばらく様子をみて、すべての症状を治癒できる薬の処方を考える」と。

これなんです。
東洋医学の真髄は。

次週が楽しみです。


2006年07月19日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(20) 陰陽五行とツボ

牢脈のときと散脈のときとで、鍼を打つツボが異なりました。
ツボの違いはどこからくるのでしょう。
調べてみます。


経絡とは、気・血の循環する通り道のことです。
経脈は主となる通り道、絡脈はその支線とイメージすると分かりやすい。
ツボは経穴(けいけつ)といわれ、気を敏感に察知するところです。


電流を使った実験で、ツボに当たるところは電気抵抗が弱いということが分かっているそうです。
この実験については、別の機会に調べたいと思います。


経脈には十二の正経(しょうけい)と八つの奇経という経脈があります。

正経は、肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経、胆経、肝経、心包経、三焦経の十二脈。
八つの奇脈は、経穴を持つ督脈、任脈の二つを治療に用います。

正経は三陰三陽(太陰、少陰、厥陰、太陽、陽明、少陽)に分けられ、手、足それぞれの三陰三陽の属する経脈につらなります。

そして、陰経は臓に属し、陽経は腑に属します。
臓腑の陰陽については、チャングム医女修行(15)でみてきました。


鍼灸だけでなく、漢方薬の効き目も、この経絡に沿ってあらわれるということです。
現代医学では無関係と思える症状が改善されるのをみると、これで納得です。


内関(ないかん)と陰陵泉(いんりょうせん)

内関は、内側手首の横紋から上に向かって指幅2本分上がった所にあるツボ。
内関の「内」は内臓の意で、内臓機能と深く関係するツボです。
手厥陰心包経(けついんしんぽうけい)という経絡にあり、
心臓疾患、嘔気、吐気、悪疽、心窩部重圧感、上腹部の脹り、腕関節疾患、手指のしびれなどにもちいるツボ。

陰陵泉は、膝下の脚の骨の内側のくぼみにあるツボ。
膝の痛みのほか、胃腸の不調により蓄積した余分な水分を排泄します。
膝関節炎、膝関節リウマチ、下腿の痛み、遺尿症、尿閉、下腹痛、腰痛などのツボ。


合谷(ごうこく)と三陰交(さんいんこう)

合谷は、手の背面の親指と人差し指の間にあるツボ。
手陽明大腸経にあり、大腸の働きが調整されるため、排便を通じて身体の解毒作用が活発となり、血流がよくなって血圧が安定する。
頭痛、眼精疲労、歯痛、喉の痛み、鼻づまり、手のしびれなどのツボ。

三陰交は、脾、肝、腎の共通点です。
膝下外側の指3本分下の骨と骨のあいだにある。三陰交の三陰は、足の厥陰肝経、少陰腎経、太陰脾経の三つの陰の経絡で、「交」は交わるの意。
このツボ一つで三つの経絡の効果が期待できる重要なツボです。

男女生殖器疾患、冷え性、消化不良、更年期障害、生理不順、帯下、難産、不眠、帯下、下腹膨満感、陰萎、遺精、尿道炎、冷え症、足関節痛、脚気、糖尿病など。


MEMO

PCのし過ぎで手指の感覚がなくなったときに、ボールペンで合谷をためしてみると、確かに効き目がありました。内関のうらがわ(外関)もよく効きます。
痺れを感じるようになりましたから。
もう一箇所、肘を軽く曲げてできた指三本下のくぼみのところを押すと
筋に沿って心地よい痛みが走って、丸まっていた指が伸びるようになりました。
病院に行っていないので病名はわかりません。たぶん、腱鞘炎。
どの指に痛みがくるかによって、経絡は異なっているようですが、
とりあえずは、押して痛みが走り心地よいところは効き目があるということが分かりました。

2006年07月18日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(19) 牢脈と散脈、失笑散と仏手散

流産した後の皇后様の様態が思わしくありません。第35話で、ヨリの脈診は渋脈でした。
第36話時の脈診は、こう脈と牢脈。
会議の結果、処方は失笑散(しっしょうさん)にきまりました。

鍼のツボは、内関(ないかん)と陰陵泉(いんりょうせん)。

鍼を打ったとたん、皇后さまは戻されます。
チャングムはヨリの診断に疑問を抱いていて症例を調べます。

ヨリとチャングムの二人に再度診察をさせて、御簾の向こうから医師たちが、立ち会うことに。

顔色は赤みがあって青い。
腹部は冷たい。
歯茎は紅色。鼻の中が異常に充血。
舌には何も出ていない。
脈診は眼を閉じて指先に精神を集中します。

ヨリの診断は「沈んでいるが力があるので牢脈(ろうみゃく)に違いない」と。
チャングムは「まるで汁を煮ていると、具の肉が浮かんでくる感じですが、浮かんでいるものの力が無い。脈も散る。」
さらに続けるようにいわれたチャングムは、
「指先に力を入れ圧迫すると、指いっぱいにあふれる感じ。
脈が散ってしまい、集まらず、一定しておらず、散漫として根っこの無い感じです。」

「ヨリの診断で失笑散を処方しても病状は改善しない」
主治医のウンベクは、
散脈を採用し、仏手散(ぶしゅさん)を処方することに。

鍼のツボは、合谷(ごうこく)と三陰交(さんいんこう)。

二日後、胎内でなくなった胎児が出てきます。
散脈はめったに見ることは無いという難しい脈でした。


失笑散の効能と構成生薬

 膀胱炎、尿道炎による血尿、産後の悪露、下腹部痛などに。
 蒲黄(ほおう):ガマの成熟花粉を乾燥したもの。収斂止血、活血去お、子宮収縮作用
 五霊脂(ごれいし):オオコウモリの糞便を乾燥したもの。月経困難・月経痛、産後の悪露停滞による下腹部痛。濁気をおろし、陰陽を調和する。

仏手散の効能と構成生薬

 婦人の心腹満痛、経脈不調、出産前後の諸症状、胎動下血、逆子、死産など。
 川弓(せんきゅう):セリ科。駆お血、補血、鎮静、鎮痛薬。貧血症、冷え症、月経不順、月経痛など.
 当帰(とうき):セリ科。補血、強壮、鎮痛薬として婦人病など。血色不良、冷え症、血行障害など。

 川弓・当帰は少量だと活血補血・調経作用、分量が多いと活血下胎。

 
牢脈のときと散脈のときとで、鍼を打つツボが異なりました。
ツボの違いはどこからくるのでしょう。
つぎに調べてみます。

2006年07月13日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(18)五臓五腑と五味

医女修行(14)の五行のうち、五臓五腑と五味の関係をさらに調べてみます。
五味(酸・苦・甘・辛・鹹)は、五臓五腑にどのように影響しているのでしょうか。

          五行色体表
五行   木   火   土   金   水
五臓   肝   心   脾   肺   腎
五腑   胆   小腸  胃   大腸  膀胱
五味   酸   苦   甘   辛   鹹
五色   青   赤   黄   白   黒


五味の特性

 酸=肝・胆の働きをよくする。過ぎると脾を傷める。
   内臓の熱を収める。下痢を収める。解毒作用、疲れを取る。
 苦=心・小腸の働きをよくする。過ぎると肺を傷める。
   湿熱を除く。乾燥する。堅くし排泄する。
 甘=脾・胃の働きをよくする。過ぎると腎を傷める。
   体力を補う。緊張を緩める。
 辛=肺・大腸の働きをよくする。過ぎると肝を傷める。
   温める。熱を発散する。小便を出す。
 鹹=腎膀胱の働きをよくする。過ぎると心を傷める。
   潤す。柔らかくして下す。

酸味、甘味、苦味、鹹味を控えると心神は爽快になり、五味が過ぎるとそれぞれの臓腑に害を及ぼし、相克関係にある臓腑を傷めます。
鹹(かん)は、塩辛いの意。
塩は塩化ナトリウムではなく、ミネラル分を含んだ天然塩。


飲食物の五味による分類

 [酸] 梅、りんご、モモ、スモモ、杏、みかん、ゆず、レモン、金柑、橙、酢など
 [苦] ビール(ホップ)、レバー、レタス、ゴーヤ、新芽のタケノコ、フキノトウ、ほうれん草、春菊、ラッキョウ、銀杏、びわ、セロリ、ピーマンなど
 [甘] 梨、葡萄など甘い果物、蜂蜜、砂糖、米、豆類、ゴマ、トウモロコシ、サツマイモ、
    ジャガイモ、山芋、かぼちゃ、人参、白菜、トマト、なす、椎茸、胡麻、豚肉など
 [辛] 焼酎、日本酒、サトイモ、ねぎ、にんにく、しょうが、唐辛子、香辛料、ニラ
 [鹹] ミネラルを含む天然塩、海藻、蟹、牡蠣、みそなど


「チャングムの誓い」に出てくる、色とりどりの宮廷料理は、
陰陽五行説にのっとって作られていたのですね。

和食の定式だと思っていた五味五色五法は、
韓国でも伝統的におこなわれていたのです。


ちなみに、「煮る」「焼く」「蒸す」「揚げる」「生のまま」
という5つの調理法のことを五法といいます。

家庭でも、体調を整えるのに応用してみましょうか。


2006年07月07日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(17)理論編:病因〈内因〉〈不内外因〉

〈内因〉

病気になる体内の原因を内傷といいます。
内傷には、感情(七情)が原因となるもの、内生五邪、日常生活に起因するものがあります。

[七情]
 感情の動きが、関連する五臓に影響するとされています。
 病因となる感情は、急激で強烈な精神的衝撃、持続する精神的刺激です。

            感情と五臓の関係

感情    五臓          気 症状
         気が緩む    愉快、意気調和。過ぎると心気が動じる
         気が上る    憤慨。過ぎると肝を病む
 憂・悲      気が消える   憂い、悲しむ。精神の抑制。肺を病む。
 思        気は結ぶ    精神集中、こだわり。過ぎると脾を病む
 恐・驚      気が下り乱れる 急な驚き、恐れ。過ぎると腎を病む


第30話:新たなる挑戦で、チャンドクが心と体の関係を教えていましたが、
ここまでおさらいをしてきて、ようやく概略がつかめてきました。

「医女修行(1)の内因:心と体の関係」でわからなかったことは、
「医女修行(14)の五行色体表と相克関係」を照らし合わせると、解けてきます。


[内生五邪]

 体外からの「六淫」に似た病邪が、体内の陰陽失調で形成されると考えられています。
 これらの邪気(内風・内寒・内湿・内燥・内熱)を、内生五邪といいます。

[日常生活に起因するもの]

食習慣

 飲食の不摂生で疾病が現われやすくなります。
 食べすぎ、飲み過ぎ、偏食などの食習慣は、疾病発生の原因となります。

労逸(ろういつ)

 精神的過労、肉体的過労、性行為の過剰、運動不足などの生活習慣は、病の元です。



〈不内外因〉

内因、外因のほかに、生理的に存在するものが、代謝異常で生じた病理的産物も病因となります。
水液代謝の異常で発生する異常体液を「痰飲」(たんいん)といいます。
全身を循環している血(けつ)が停滞あるいは経脈からはずれて滞留するものを「お血」(おけつ)といいます。

「痰飲」「お血」は、体内であらたな病気をつくる重要な因子となります。

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(16)理論編:病因〈外因〉

東洋医学では、病気になる原因(病因)を邪気(じゃき)といい、
邪気に対抗する生体の抵抗力を正気(せいき)としています。

邪気と正気の強弱関係で発病するかどうかが決まります。

疾病は、正気が衰えた場合(正気虚)、邪気が勝る場合(邪気実)の二つのパターンが現われます。
治療は、正気が衰えたものには補う作用の「補法」を、邪気の強いものには攻撃療法で「瀉法」を用いるのが二大治療法則となります。


病因の分類

体外の原因(外因)よる「外感」と、体内の原因(内因)である「内傷」に分類する方法が、
古来よりよく用いられています。

「外感」は、六淫(病邪)、ウイルスなどによる感染症、外傷、寄生虫による外的な刺激。「内傷」は、感情、生活背景などの内的素因。

[外因]

自然の気候、気象現象を「風、寒、暑、湿、燥、火」の六つに分類し、これらを六気と
いいます。
気候の変化が著しい場合や、人体の抵抗力が衰えている場合は、
六気は風邪(ふうじゃ)・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪(熱邪)の六つの邪気となって人体に影響を及ぼし、病気の原因になります。
これらの邪気を六淫(りくいん)といいます。
人体の中では自然の現象に似た現象が起きています。

    季節と気象の関係

     季節      気象
 春     2〜4月    風
 夏     5〜7月   暑・火
 長夏(梅雨時) 7月     湿
 秋     8〜10月    燥
 冬     11〜1月    寒


風邪=軽い。変化。患部は固定しない。
   体表から侵入。発病が急速で患部は固定しない。頭痛・鼻・のど・目などに病変。
   痙攣・ふらつくめまい。

寒邪=陰邪。冷え。縮む。痛む。体液の流れを鈍らせる。
   皮膚肌、呼吸器、脾胃に直接侵入。嘔吐・腹部の冷痛。四肢の引きつれ、痛み。

暑邪=激しい熱症状。高熱・顔面紅潮・大量発汗・口渇・脈は数洪大。

湿邪=重い、粘着性、濁る、下降するなどの特徴があり、気の働きを阻害する。
   湿邪が侵入すると、体や四肢に力が入らずだるくなる。関節に停留すると痛む。
   胃部のつかえ感・嘔吐。脾陽を傷害すると下痢・尿量減少・むくみ・腹水。

燥邪=水分が過度に不足すると発病。
   肺は湿を好むので、から咳・喘息などから胸痛する。
   口渇、髪・皮膚のかさつき。肺と表裏関係の大腸に及ぶと大便は出にくくなる。

火邪=火熱は気を消耗し、血流を乱す。
   風・寒・暑・湿・燥の五つの邪気による病気でおきる熱の盛んな状態。
   高熱・悪熱・口渇・発汗・脈は洪数・口腔内や舌にできもの・
   歯茎の腫れや痛み・眼が赤く腫れて痛む・頭痛。
   各種の出血(吐血・喀血・鼻出血・血尿・血便・皮下出血・不正性器出血など)

2006年07月04日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(15)理論編:五臓六腑

「チャングムの誓い」でよく出てくる、肝、脾、心、腎といったことばは、
現在、西洋医学で用いられる臓器の名称とは異なっている場合があります。
ここでは、それぞれの意味を調べてみました。

五臓六腑は内臓のことで、中身の詰まった状態の肝・心・脾・肺・腎を五臓といいます。
後天の精気(呼吸、飲食物によるエネルギー)の貯蔵・分泌・生成を行っています。

腑は、管や袋のように中は空間で、五臓の補佐をしながら、消化・吸収・排泄などを行っています。
胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦を六腑といいます。

西洋医学の臓器の名称と異なり、東洋医学では機能的なものを指しています。

五臓六腑弁証は、感染症を除いた内科疾患の治療法をきめるのに用いられ、
疾患の場所、特性を明らかにします。

臓や腑の病変は、単独ではなく、いくつかの臓腑の失調として現われます。


五臓六腑の陰陽五行

  五行      木   火    土    金    水
陰 ・五臓
   肝   心    脾    肺    腎    心包
陽 ・六腑   胆   小腸   胃   大腸   膀胱   三焦

心包(しんぽう)
 心臓を包んで守るとされる架空の臓器です。
 鍼灸の経絡にはこの心包経があり、弱ると現れる症状は、動悸、顔面の赤み、目の黄ばみ、みぞおちの痛み、手のほてり、脇下の腫れ、神経症などです。

三焦(さんしょう)
 「名のみありて形なし」といわれていますが、「気」・「血」・「水」の道のことであり、西洋医学的には自律神経系に似ています。
 いくつもの臓腑がかかわりあっていて、体の重要な機能を調整しています。


五臓の特徴
 
 肝=血液を貯蔵、筋腱を支配。精神活動を支配。自律神経系の機能。肝胆は表裏一体。

 心=血脈循環。意識と精神活動、五臓六腑の働きを統制。心と小腸は表裏一体。

 脾=食物の消化吸収、輸送。水分代謝の一部。四肢と筋肉を支配。脾と胃は表裏一体。
 
 肺=気を主り、心をたすけて臓腑・器官の機能(気)を調節。肺と大腸は表裏一体。

 腎=生命維持機能、内分泌系、泌尿器系、神経系、ホルモン系。発育・老化、生殖。
   水分代謝の調節。骨、骨髄、脳と深く関係。腎と膀胱は表裏一体。

 心包=心の外衛、喜怒哀楽などの感情を発露。

六腑の特徴

 胆=胆汁の貯蔵・排泄。肝の支配を受け脾胃の消化機能を正常に維持する。

 小腸=食物を受入れ、清(水様のもの)・濁(固形様のもの)に分離し大腸と膀胱に送る。
   心に熱があると尿が濃い黄色になったり、排尿痛がある。便は乾燥。

 胃=陰食物の初期消化。脾と共同し消化・吸収にあたる。胃の気は下降するのが正常。
   逆になると、吐き気、嘔吐。

 大腸=消化吸収された後の残渣を体外に送り出す。

 膀胱=小腸から送られてきた尿を溜め,腎気の作用で体外に排泄する。

 三焦=体温調節・気血水の調整、輸瀉作用。自律神経系の機能を包括したもの。
   水分代謝全般。

2006年07月02日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(14)理論編:五行

後にとっておいた理論編です。

〈弁証論治〉は、これまでみてきました。

〈弁証論治〉の〈弁証〉は、四診による証の診断のことで、
症状だけでなく、陰陽、虚実、寒熱、表裏で病気の経過の状態も表します。
弁証により把握された証が病名であり、方(ほう)が決まります。
方(ほう)とは、「治療に当たって何をなすべきか」の指示で、
薬、鍼、灸、指圧、食養などが含まれます。


ここでは、〈陰陽五行〉学説と〈五臓六腑〉の理論のうち、〈五行〉を調べてみます。


五行(ごぎょう)

〈五行〉〈陰陽〉は、〈陰陽五行〉説として、〈五臓六腑〉の理論と並んで東洋医学(中医学)の中核をなす理論であり、
証を見る基礎となります。

〈陰陽五行〉学説は、長期にわたり自然現象を観察して導き出した宇宙間のすべての物事や変化を法則づけたものです。

〈五行〉思想は、万物は木・火・土・金・水の五種類の元素からなるとし、
その運行と相互関係を説く自然哲学思想です。
五行の互いの関係には「相生」「相克」「相乗」「相侮」という性質があります。


[自然界の現象と人体の陰陽]

自然界の陰陽
陰=暗・柔・水・冬・夜間・裏・上に上がる・寒・拡張性・静・音・植物・女・内
陽=明・剛・火・夏・日中・表・下に下がる・熱・収縮性・動・光・動物・男・外

人体の陰陽
 陰=裏・下半身・腹部・臓・血・低・静的・抑制・衰退・精神
 陽=表・上半身・背部・腑・気・高・動的・興奮・亢進・肉体

[自然界の法則と人体の五行]

 五行色体表は、五行と自然、人体の関係をまとめたものです。主なものを示します。

五行色体表
五行   木    火    土   金   水
五星   木星  火星  土星  金星  水星
五方   東    南   中央   西   北
五時   春    夏   土用   秋   冬
五臓   肝    心    脾   肺   腎
五志   怒   喜笑   思   悲憂   恐
五腑   胆   小腸   胃   大腸   膀胱
五色   青    赤    黄    白   黒
五味   酸    苦    甘    辛   鹹
五悪   風    熱    湿    寒   燥
五体   筋(膜) 血脈   肌肉  皮毛  骨(髄)
五根   目    舌    唇    鼻   耳
五支   爪    毛   乳・唇   息   髪
五声   呼    笑    歌    哭   呻
五神   魂   神(性)  意(智)  魄   精(志)
五指   薬指  中指  人差指 親指  小指

五行の相互関係

 相生=相互に助け合い促進する関係
 相克=相互に抑制し合う関係
 相乗=過剰な相克関係
 相侮=正常な相克関係が逆方向になった状態

相生には方向、順序があります。
  木→火→土→金→水
 ↑            ↓ 
   ← ← ← ← ←

 木生火(木は燃えて火を生む)
 火生土(燃えて灰が残ると土になる)
 土生金(土からは金属を得る)
 金生水(金属の表面からは水を得る)
 水生木(水は木を養う)

相克は、木・火・土・金・水を一つ置きに抑制する関係です。

 木克土(木は土をやせさせる)
 土克水(土は水を制する)
 水克火(水は火を消す)
 火克金(火は金属を溶かす)
 金克木(金属は木を負かす)

人体の五臓六腑の関係も、自然界の五行の運用に当てはめて解釈し、
生理、病理、病因、診断、治療面で大きな影響をもち、広く運用されています。

2006年06月27日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(13)証をきめる物指し:四診〈切診〉

証のおさらいです。

チェジュドにいたときに、チャンドクから脈を診るようにいわれたチャングムが、
「中身のないネギのよう」
などと表現し、指先の感覚が鋭いと、ほめられていましたね。


〈切診〉は、直接手で触れて診断する方法です。
脈診と触診があります。
脈診については、医女修行(3)でふれました。

触診は、肌、手足、胸、腹、背などに触れて、皮膚の状態、張り、肉厚、充実度などの情報から、虚実、病態、寒熱、気血水が分かります。

触診のうち、日本独自に発展したのが漢方古方派の腹診で、中医学ではあまり発展しませんでした。
腹診は胸腹部全部が対象になります。


腹部の主な特徴的症状

[胸脇苦満(きょうきょうくまん)]=両肋骨下の抵抗圧痛。
  肋骨の端に沿って指を3、4本差し込むように這わせていくと分かる。柴胡剤の適用。

[心下痞硬(しんかひこう)]=心下部(みぞおち)につかえる感じがして抵抗や痛みもある症状。
  胃にトラブルががあるときあらわれやすい。

[心下部振水音(しんかぶしんすいおん)]=心下部を軽く叩くと、胃内からの聞こえる水音のこと。
  胃内停水。

[小腹(臍下)不仁(しょうふくふじん)]=臍下を押すとやわらかく軟弱無力。
  腎(泌尿、生殖機能)の衰えがあると現れやすい。腎虚の証。

[腹皮拘急(腹直筋の緊張)(ふくひこうきゅう)]=腹直筋の緊張がはっきりわかる状態。
  腹直筋攣急。
  腹直筋は、左右2本ともに緊張していることもあれば、片側のみのこともある。

[小腹急結(しょうふくきゅうけつ)]=左下腹部を触るだけで痛みを感じる。
  処方は桃核承気湯。お血(おけつ)の腹証

[臍痛]=臍輪の直上に圧痛を訴えるもの。葛根湯。

[正中芯(せいちゅうしん)]=お腹の真ん中に細い芯のようなものがある。
  真武湯、人参湯。

[蠕動不穏(ぜんどうふおん)]=腸の動きがはっきり感じられたり、
  時には目に見えるほど激しい動きの状態。処方は大建中湯。

[心下悸(しんかき)]=みぞおちの上下をさわるとドキドキと動脈の拍動を感じる。
  処方は苓桂朮甘湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯

[心下支結(しんかしけつ)]=腹直筋が上腹部で表面に浅く現れて、心下を支えているようにみえる場合。
  柴胡桂枝湯、四逆散などでみられる腹証。

[臍傍悸(さいぼうき)]=臍の傍らの動悸。虚あるいは神経質な状態を示す徴候。


チャングムたちの診断実習でも、腹部を軽く押して状態を見ていました。

腹証については、「腹がはる」ということばで一くくりにしていて、精神の緊張を示す腹直筋の緊張の有無、腹部の硬いしこりとの区別があいまいで、証を判別する重要な手がかりとしていなかったところを見ると、韓医学でも、日本の漢方のような腹診は発展しなかったように思います。
時代が下ればどうか分かりませんが。

2006年06月25日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(12)証をきめる物指し:四診〈聞診〉〈問診〉

妓生(キーセン)代わりに宴席に出よといわれた医女修練生たち。
これに従わなかったチャングムとシンビは、イ・ヒョヌク教授に不可の成績を付けられ落第に・・、
と思ったら、過去に苦い経験をもち、ことさらチャングムに厳しかったシン教授はこの局面を見事に打開。知恵者でもありました。

ミン・ジョンホといい、ウンベクといい、このシン教授といい、いい男たちが出てきますね。
でも、『宮廷女官チャングムの誓い』の面白みは、そっちのほうじゃないんですね。


もっと面白い、証のおさらいです。
四診(望診・聞診・問診・切診)のうち、〈聞診〉と〈問診〉を見てまいります。


聞診(ぶんしん)

 「聞診」は、聴覚と嗅覚で診断する方法です。
 聴覚では声の大小、呼吸音、あくび、ためいき、いびき、くしゃみ、ゲップ、息切れ、喘鳴などを聞きます。また、胃部の振水音、腹部の雷鳴なども聞きます。
 鼻で聞くのは、体臭、排泄物の臭いなどです。その臭いの質により病状を診断します。


問診(もんしん)

 現在でも問診といいます。
 病人やその家族から、証を判断する上で必要な情報を聞き出します。

 寒熱、汗、頭や身体の状態(めまい、ふらつき、痛みやしびれなど)、
大小便、飲食、胸脇胃腹部、耳鳴、渇、月経など。

 西洋医学では役に立たないような情報も、東洋医学では重要な手がかりになる場合があり、情報の活用の仕方が異なります。

チャングムとシンビが、診断の実習で患者から聞き出した、

「口寂しいときに塩をなめる、土やお茶の葉が食べたくなる」

という情報が重要な診断の鍵になりました。
望診と聞診、切診では同じにみえた二人の患者は、ここで原因が別にあることが分かりました。
違った処方で治療することになります。

また、異なった症状でも、原因が同じ二人の患者は同一処方になりました。

 チャングムは知識のみで診断した自分の過ちに気がつきます。

「傲慢は断定を生み、誤った断定は人の命を奪う。
患者から謙虚な姿勢ですべてを聞く、謙虚な姿勢で自然のすべてを知ろうとするのが医者だ」

シン教授の教えが身にしみるチャングムに、

「人間はそう簡単に変われぬもの」と。

2006年06月24日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(11)証をきめる物指し:四診〈望診〉

基本のおさらいも、ようやく四診にたどり着きました。

東洋医学の診断で、最終的な証の決定は、この四診によります。
「望診」「聞診」「問診」「切診」の4つにわけられます。

望診

「望診」は、顔つきや顔色、皮膚の状態、体型、体質、舌の状態、精神状態などを見ます。
直接目で見て観察し、疾病の位置やタイプ、軽重、予後を判断します。
現在の視診にあたります。


チャングムが医女修行をはじめたときに、チャンドクから最初に教わったのが、四診のうち、〈望診〉でしたね。

顔色の種類をみる。
青いか、赤いか、黄色いか、白いか、黒いか。
〈望診〉といいます。

舌をみる舌診は、色、肉付き、舌の苔の状態、苔の付着する場所、津液の出具合などで病態を判別します。
舌の各部分と臓器は密接に関係しているので、病変の所在位置や、部位の深浅、虚実などがわかります。

舌と内臓の関係
 舌の先端→心肺機能
 舌中→脾胃の機能
 舌の両側→肝胆の機能
 舌根→腎、大腸
 舌の裏側→心(心臓と精神活動をまとめる脳神経)

正常な舌の状態は淡紅色で、薄く白い苔がついています。
舌面は潤いがあり、舌中に裂紋があったり舌根にやや厚く苔が見えても正常。
季節や年齢によっても違いがあり、
冬に白い苔の人が、夏になるとやや粘り気のある黄色い苔になっても正常。
タバコ、酒を飲む人や便秘の人の舌根に厚い苔が見られたり、生理中の女性で舌の先や舌の両側が赤くなったり赤い斑点がでている場合も正常範囲。

舌の色

・薄赤→正常
・赤→熱証。苔が黄色いものは温熱証で、脾胃(消化器系)が湿熱に冒されている。
・赤→苔がところどころ剥がれている。気陰両虚。胃が弱く内熱があって栄養不足状態。
・濃い赤→舌がやや厚く、舌尖にぶつぶつができて歯痕がある。
  血熱傷陰。全身の感染症。
・暗赤→舌全体がややはれて厚い。舌面には浅い裂紋。苔が薄くほとんど見られない。
  血熱お血(おけつ)証。急性熱性病。
  内熱(脳卒中、高血圧症、アルコール性肝硬変)などでほてり、口渇、水をほしがらない場合。
・色が薄い→舌が厚く舌辺に歯痕があるもの。舌苔が薄く淡い。気虚水毒証。
  水液が体にたまっている状態。
・紫→舌の大きさは普通。色は淡く青や紫が混ざっている。
  舌苔は薄白。気滞お血(おけつ)証が多い。
  肝硬変、腫瘍、外傷、癌、生理痛、慢性病などで多く見られる。
  ストレスの多い中間管理職は自律神経が失調しがちなので要注意。
・青紫→舌尖に赤点。気分障害によるお血証。血液がどろどろ。新陳代謝が遅い。
  栄養状態が悪いので舌粘膜に裂紋が出る。
  頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、便秘、更年期障害。精神不安、不眠症。
  ストレスの多い女性は要注意。心火上炎証。
・淡白→陽虚。水毒。体が衰弱して寒さに弱い。

舌の性質と色から見たものに白黴苔、滑苔、黒燥苔、灰苔、黄燥苔、白腑中剥苔、厚腑苔などがあります。

舌の形態と乱脈から見たものに胖大舌、痩薄舌、老舌、裂紋舌、紅点舌、舌瘡、歪斜舌、乱脈異常などがあります。

いずれも、一目見ると、普通じゃないと思わせる特徴的な舌です。

風邪をひいた折に舌を見ていると、熱の時期、咳の時期、胃腸障害がおきたとき、治りかけのときなど、時期によって変化していくのが見て取れるので、異常な舌を見分ける訓練になるかもしれません。

舌の状態は、おもに『舌診カラーガイド』を参考にさせていただきました。
ありがとうございます。






2006年06月22日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(10)証をきめる物指し:気血水〈水〉

前回は気血水の〈気〉〈血〉まで見ました。
今日は〈水〉を調べてみます。


水の働き

〈水〉は、リンパ液、消化液、浸出液、関節液、唾液、痰、涙、尿などを含み、人体内の正常な水分のことをいいます。
各臓器、組織器官を潤し、働きを円滑にするなどの働きがあります。

〈水〉の異常によって起こる障害

水が不足すること(津液不足=傷津)による障害と、水分代謝の異常から体のあちこちに水分がたまって引き起こされる障害があります。

[津液不足]
 高熱による場合=
   発熱、いらいら、口渇、舌紅、苔黄(舌の苔が黄色い)などの症状
 気虚を伴う場合=
   息切れ、疲労、舌淡歯痕(舌色が淡く歯型がついている)、舌苔は少。

 粘り気の強い、なかなか切れない痰は水分の不足ですから、麦門冬湯で潤すと痰が出やすくなります。

[水分代謝の異常]
 水液の停滞する部位により、4種に分類。総称して痰飲(広義)といいます。

 痰飲(狭義)=胃内停水。胃腸に水滞したもの。胃部で振水音がする。
   胃に水滞したものでは、動悸、息切れ、めまい、胸脇のはりがある。
   腸に水滞すると、頭のふらつき、下腹部拘急(こうきゅう)(下腹のつっぱり)、
   臍下の動悸、尿量減少がみられる。
 支飲=胸隔に水滞したもの。咳、呼吸困難、薄く泡状の痰が多い、
   顔面の浮腫、舌の色は淡白。
   急・慢性気管支炎、肺水腫にあたる。
 懸飲=胸肋に滞留したもの。胸肋痛、咳喘痰多く、胸肋脹満、呼吸促迫。
   咳をするときに引きつり痛む
   一般に痰飲より症状が重い。
 溢飲=汗が出ず、飲んだ水が四肢に停留する。四肢浮腫、口渇なし。
   

 色白ふっくらの水太り体質の人は、少し動くと汗をかき、足がむくみやすい、息切れがして疲れやすく、中年を過ぎると膝関節が痛んだり腫れたりします。これは、体の表面や皮下組織に水液が停滞しやすい体質のせいで、利水剤で余分な水を尿として排泄します。
漢方は電解質のバランスを崩さず余分な水だけ排泄します。

 痰飲(狭義)は胃腸から体中への水分吸収の悪い人に現れやすい症状です。普段から水分の摂取量の多い人、夏に冷たいものを多く飲むときにも現れます。

2006年06月20日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(9)証をきめる物指し:気血水〈血〉

前回は、〈気〉について触れました。

元気、病は気から、気の病、気がぬける、気が重い、気のせい、気詰まりなど、
日常使っている気のつく言葉は、漢方の〈気〉を、遠からず言いえているようです。

〈気〉が上衝すると、のぼせ感、激しい頭痛、気の高ぶりなどの症状が出ます。
更年期の女性にみられる「のどに梅の種がつかえているような感じがする」という場合は、のどに気が鬱滞している状態です。
検査で異常が見つからなくとも、東医学では梅核気(ばいかくき)といって、ちゃんと治せるんですね。
咽中炙臠(いんちゅうしゃれん=あぶった肉をのどに貼り付けたような感じ)とも表現されます。

みぞおち附近に気が滞ると上腹部が張り、痛んだり苦しくなったりします。
理気薬で気のめぐりをよくすると異常感はなくなりますので、検査では異常のない「気のせい」になりそうな症状は、漢方はお手のものです。


今日は〈血〉について調べてみます。

血の働き

〈気〉は、〈血〉〈水〉をコントロールし、〈気〉のめぐりが悪くなると〈血〉や〈水〉のめぐりも悪くなり、〈血〉〈水〉による異常も引き起こされます。

〈血〉は、脈管内を流れて全身に栄養分をはこび、潤す働きがあります。
現代医学の血液のみでなく、栄養分も体液も含みます。また、〈血〉は精神活動を支えています。

〈血〉が足りていると、顔色がよく、筋肉も充実していて活力があります。皮膚もよく潤って髪もつややかで、視力もよい
東医学では、髪を「血余」というそうで、髪は血の活力の余りだとすると、髪の抜け落ちる病気や髪の不足している方は、血の力が足りていないということでしょうか。

〈血〉の障害は体質、症状によって2通りに分けられます。
共通の特徴は、
 充血、うっ血、紫斑、皮下粘膜下の出血、腹部の張りや圧通、生理通、生理不順などのお血(お=やまいだれ+於)症状で、血液の流れが停滞して血管の局部や臓腑のなかに滞っている状態。

1つは、血熱タイプ。
 頭痛、イライラ、多怒、冷えのぼせ、口渇などがあるときで、陽証(ほぼ熱証)体質。

もう1つは、血虚タイプ。
 顔色が青白く、疲れやすい、頭重感、めまい、肩こり、四肢の冷感、不眠、四肢のしびれやつっぱりなどが見られるときは、陰証(ほぼ寒証)体質。
 冷え性の人の血管に、さらに冷えが侵入して血液の循環が悪くなった状態。

血虚と貧血は同じものではなく、血液検査で異常がなくとも血虚状態であれば、温熱薬で血液を温めて循環をよくします。

2006年06月19日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(8)証をきめる物指し:気血水<気>

チャングムはどうにか医女試験に合格し、宮中に戻れる可能性がでてきました。

第33話「うぬぼれ」で、医女見習いたちはシン教授からしごかれます。

「草以外に薬に用いられるものとは?」
「薬として用いる土、18種類をあげよ」
とつぎつぎ質問を浴びせられます。
「草以外に薬になるものは、木、穀物、動物、昆虫、水、玉、石、土、金属」

(土も薬になるなんて、東医学は奥が深い!!)

もちろんチャングムは知っているのですが・・・
なんと成績は不可。

天文学の時間もあります。
シン教授は、天文図を掲げて星座を学ぶ必要性を説きます。

「星座を見ると季節が分かり、28宿の星座の動きをよむことによってその年の天候が分かる。
寒くなるか、暑くなるか、湿度が高いか低いか」
「人も自然の一部、病も自然の中で捉えねばならぬ」
・・・。
・・・。


「証」を決める基準のおさらいを続けます。

「気血水」

これまで、証をきめる物指しとして、〈陰陽〉〈虚実〉〈表裏〉〈寒熱〉をみてきました。
もう一つ大切な診断基準に、〈気血水〉があります。
〈水〉は、「津液(しんえき)」ともいいます。
〈気血水〉は、無熱性疾患や慢性疾患の病因を、内因から探る判断基準になっています。

気の働き

〈気〉は、「生命を維持するために必要なエネルギーのようなもの」で、
「働きはあるが形がなく、聞くことも見ることもできないもの」であり、
人体の構成と生命活動の最も基本となるもので、
「天地と調和して生命活動を営むための生理機能」だといわれています。


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2006年06月18日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
   医女修行(7)証をきめる物指し:寒熱

 「証」を決める基準のおさらいです。

「寒と熱」

 現代医学の熱(=体温上昇)とは、とらえ方がやや異なります。
東洋医学の〈熱〉は、必ずしも体温上昇をともないません。
本人に熱感のある場合を〈熱証〉といいます。
こういうときは寒涼剤で体を冷やす治療をします。
 
 体がほてって熱い、口渇がある、粘り気のある黄色い洟(はな)や痰、色の濃い尿がでる、のどが痛い、冷たいものがほしいなどの症状のときは、体温上昇のあるなしにかかわらず、〈熱証〉です。

 体温上昇があっても、悪寒がして冷やされるのをいやがる場合は〈寒証〉ですので、体を温める温熱薬を用いて治療します。

 西洋薬にはこの温熱薬にあたる薬剤に乏しく、〈寒〉〈熱〉にあたる概念がありません。
しかし、熱感があって細胞浸潤を伴った炎症状態や機能亢進がある場合を〈熱〉、体温上昇があっても悪寒を自覚したり循環障害を伴った冷感、下痢状態、機能失調状態などの症状があるときは〈寒〉と考えてよいようです。

2006年06月16日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
医女修行(6)証をきめる物指し:表裏

「証」を決める基準のおさらいをしています。

「表と裏」

 病気がどの程度進行しているかを判断する基準に〈表裏〉があります。
〈表〉はからだの浅い部分、体表部で、皮膚や頭部、運動器を指します。
〈裏〉はからだの深い部分や腹部内臓器で、消化管をさらに〈内〉、〈内〉以外の大部分を〈外〉とに分けています。

 「史記」に出てくる扁鵲(へんじゃく)という医者が述べたという話があります。
 
 「病が体表部にあるうちは罨法(あんぽう)で治ります。血脈にあるうちは鍼石で治ります。腸胃にあるうちは酒醪(ろう)で治ります。しかし、骨髄に入ってしまっては、もう手の打ちようがありません。」

 病は身体の表から現われ、徐々に体の内部に侵入する。
どの位置に病邪があるかで病の進行度を判定し、それぞれの位置に対応した治療法をあげています。
骨髄は、現代医学でいう骨髄とは異なるようです。

 〈表〉〈裏〉は、六経弁証(三陰三陽の六病期)での経過診断と対応して用いられます。
 六病期の中で、死の転帰をとる可能性のある病期では、現代医学との併用を考慮する。
 〈表証〉は、病の初期にみられます。
 〈裏証〉は人体内部の病変で、それには二通りあります。
1つは、表から病邪が入り、内部に進行していったもの。
もう1つは、精神素因、生活素因、内生素因(痰飲・お血)、体質素因による体内に原因があるものです。

一般的に、病が表にあるうちは病勢は浅く、軽くて治療も容易。
病が裏にあるものは、病勢が深く、強くて治療も困難になってきます。

〈半表半裏〉は、病が完全に表にあるのでもなく、完全に裏に入ったものでもない、表と裏の中間にあるものをいいます。

六病期と表裏の対比:

 太陽病=表    →感染症の初期症状(消化管を除く)
 少陽病=半表半裏 →遷延性感冒
 陽明病=裏    →急性の細菌感染症
 太陰病=裏    →消化管の無熱性の機能失調状態
 少陰病=表裏   →上気道の感染(体力があれば太陽病)
           下痢、脱水症状
 厥陰病=裏    →生命の危機状態
           下痢による脱水や貧血による循環不全
           上熱下寒(発熱、手足は冷たい)
          脈は微細か頻脈  

死に至る可能性のあるものは、陽明病、少陰病、厥陰病。

2006年06月14日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
   医女修行(5)証をきめる物指し:虚実

「証」を決める基準のおさらいです。

「虚と実」

 〈虚〉は、うつろ、力の弱い状態で、〈実〉は充実の実、力が強く中味のつまっている状態をいいます。

 病人にあてはめると、体力気力が充分にあって生体反応か強く、体力がこれに拮抗しようとしている状態を〈実〉といい、皮膚、筋肉、腹部とも固く緊張しています。
〈虚〉は、老人などのように生体反応の弱い状態をいいます。
病毒か体内に入ってきても、それに対抗する力が無く、気力、体力ともに衰えていて、皮膚や腹の張りがなく全体に無力性です。

 一般的に、実証の病人には下剤、瀉血、発汗などの攻撃的な治療法(瀉法)をとり、虚証の病人には体を温めるなどの補う薬(補剤)を用い、治療法も保存を主体にします。

 虚実の判定を誤ると効き目がないばかりか、状態が悪くなったりします。
こういうときは方剤の選び方を誤ったのであって、西洋医薬品の副作用とは性格がことなります。


第32話で、キム・チソンの息子が長い間の病で苦しんでいましたね。

 丈夫そうなつくりの少年ですが、息が苦しく体が熱っぽい、咳が出て冷や汗をかく。
 7歳のころから3年、食が進まなく体が弱い。医師は「食ぎゃく」と診断し、投薬を受けるが体は弱ってきている。

 チャングムは、肉付きの良い雄牛を一頭つぶし、足と首と、ひれの部分の筋と膜を取り除き、肉だけを選んで小さくきざんで骨とともに大きな釜で煮詰み、汁ををこして少年に飲ませます。
 
 少年は吐き気に苦しみますが、チャングムのとった方法は、これまで医師がおこなっていた症状を抑える治療と異なり、原因を根本から取り除くことでした。

 「胃腸にたまった痰、お血(おけつ)が胃腸を傷つけた状態です。
 胃腸に浮かんだもの、ひっかかったもの、腐ったものをすべて体外に押し出して、病の原因を取り除いてから、薬を飲むと効くのです。
 3年間は牛肉は控えること。」


病理の虚実

 人体は陰液と陽気の平衡状態で正常な状態か成り立っているとする学派では、その量と機能の失調を虚実で表現しています。

 〈虚〉は、陰液または陽気の不足している状態をいい、〈実〉は病因(邪気や病理産物)の多い状態をさしています。

 少年のケースは〈実〉証にあたるようです。

2006年06月13日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(4)証をきめる物指し:陰陽



「証」を決める基準のおさらいをしてみます。

 第31話で、船酔いで意識不明になったカン・ドックおじさんが薬房に運ばれてきます。即効性のある鍼治療にするか、効き目は遅いけれど安全な灸にするか、さんざん迷った挙句、鍼に自信がないチャングムは灸で治療していましたね。

 「証」は、「どういう場合に」「どんな状態のときに」を見極めて、どの治療方法があてはまるかで判断されます。これには、薬方(投薬)、鍼、灸、指圧、食養なども含まれます。
「証」は、西洋医学的にいうと、一種の症候群に病態の逆行程度と体質を加味して判断された病態といえるようです。

 どの方法を用いるかを判断するには根拠が必要です。
 その物指しになるのが、「陰と陽」「虚と実」「寒と熱」「表と裏」「気血水」「四診」です。

「陰と陽」

 病気を熱のある病気(急性の熱性疾患、熱病=傷寒)と、熱のない病気(慢性病=雑病)の二つに大別します。
 熱性疾患では〈陰〉〈陽〉がはっきりと現れてきます。病態が積極的で発熱をもって強く反応するものを〈陽〉、病態か消極的で寒冷傾向のもの〈陰〉といいます。

 ふだん体が丈夫な人が風邪をひいた時に現れる病態で『熱感、頭痛、うなじのこわばり…』といった強い反応を示す病態を〈陽証〉といい、葛根湯を用いるとよく効きます。つまり、葛根湯を飲むべき〈証〉ですので葛根湯証といいます。
 一方、虚弱体質で冷え性の人や老人が風邪をひくと、体温が高いわりには熱感が少なく、寒けが激しくて頭を冷やされるのをいやがり、脈は沈んで小さいといった状態になります。これは〈陰証〉で、用いられる方剤は麻黄附子細辛湯になります。

 〈陰〉〈陽〉は固定されているものではなく、普段体力があって丈夫な人でも、風の初期に治しておかなければ、口が苦くなったり、はきけがしたり、食欲不振といった胃の障害がおき、熱が出たり引いたり(往来寒熱)、咳が胸の奥深くから出るようになるなど、病邪が身体の内部に侵入してきます。
 
 風邪が抜けきらずに腸に熱がこもったままになり、だるい、調子がもどらない、微熱が続く、寝汗が出るなどの経験はありませんか? 
このときは、痔まで出たりします。

 このように、病態の進行度によって、〈陰〉〈陽〉はさらに三段階ずつ六病期に分けられます。三陰三陽、六経弁証といって、漢代の張仲景が「傷寒論」で示しています。

 陽=太陽病→小陽病→陽明病
 ↓
 陰=太陰病→小陰病→蕨陰病

 それぞれの段階で証が異なり、治療法も変化します。
 病態がどの段階から始まるかは、日ごろの体力・体質から、人それぞれです。

 慢性疾患や無熱性疾患では、発熱疾患のときのように三陰三陽は、はっきりとは現われず、参考程度にします。

〈陰〉〈陽〉は、このほかに陰液(血・液津)、陽気(=気、機能)を意味する場合があります。

2006年06月11日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(3)脈診

チャンドクは、チャングムに徹底的に基本を暗記させます。
「料理は失敗すればまずくなるだけ。医術は人の命を奪います」
「暗記した事が基礎となり、実践で理解して経験となるのです」

入院患者の脈をとるよう言われたチャングムは、まるで
食材を吟味しているよう。

中身のない丸いねぎを押した感じ=こう脈
→出血があった証拠。吐血、鼻血、大小便で失血、吐血(結核)
張った弓の弦=弦脈
→集まった気血が広がらない状態。 
暑さ寒さが厳しいときに出る脈。片方だけのときは腹痛、
子供のひきつけるときも出る難しい脈。
牛肉を煮込むとき、油をとるためにかぶせた紙を押した感じ=浮脈
→浮きながらも力があれば風症、力がなければ虚証。
細数(さいさく)脈→糖尿の脈で細くて早い。
数脈は一呼吸で6回ぐらいの脈拍。実証、気虚。

似ている脈:
浮脈は浮いているがとぎれず、こう脈はとぎれる。
弦脈は張った弦、緊脈はあんだなわ。
牢脈と実脈。牢脈は沈んで力強い。実脈は浮いているが力強い。
滑脈は滞らず滑らかな脈で、数(さく)脈は一呼吸に6回脈を打つ。

以上は、ドラマでチャングムが学んでいた部分。

一般に病脈は、
脈の位置「浮・沈」、速さ「遅・数」、強弱「虚・実」などから分類され、
主なものに28種あります。

浮類=浮脈・濡脈・洪脈・こう脈・革脈・散脈
沈類=沈脈・弱脈・伏脈・牢脈
遅脈類=遅脈・緩脈・渋脈・結脈・代脈
数脈類=数脈・疾脈・促脈・滑脈・動脈
虚脈類=虚脈・細脈・微脈・短脈
実脈類=実脈・弦脈・緊脈・長脈

脈の取り方は、
3本の指先を患者の手首にあて、1カ所の脈を3段階に分けて(浅く触れる、中位、深く触れる)探り、両手首からあわせて18種類(上腹部(上焦)、上腹部(上焦)、中腹部(中焦)、中腹部(中焦)、下腹部(下焦)、下腹部(下焦)、大腸、小腸、胃、胆、三焦、膀胱、肺、心、脾、肝、心包、腎)の脈情報を得て病気の所在、現状予後を診断します。
(脈の取り方:ツボ探検隊さん、参考にさせていただきました。)

これは、かなり難しいので雰囲気だけつかんでおくことにしましょう。

ところで、文字からイメージするものとかなり異なっている言葉があります。
気・血・水、肝、腎、脾、心包などです。

2006年06月09日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(2)証

東洋医学の聞きなれない言葉がつぎつぎ出てきます。
診断治療法は、西洋医学とかなり異なります。

西洋医学は、症状から病名を診断し、病名に合った対処療法おこないます。
東洋医学では、体質、精神状態、症状、病因などを総合的にとらえて「証」を判断し、体質や病気の本質を根本から治します。
判断した「証」は治療法そのものです。病名が同じでも、いくつも証はあるわけです。

証=病人の体質や状態
証は、虚、実、寒、熱、表、裏に六分類され、さらに、
実熱表は陽、虚寒裏は陰に大別されます。

この分類を「八綱」と言い、証を決める重要なてがかりです。
表裏には半表半裏の状態もあります。
陽には陽盛(実─熱─表)、陽虚(虚─寒─表(裏))があり、
陰には陰盛(実─寒─裏)、陰虚(虚─熱─裏)があります。

虚は、虚弱体質、長患いや誤治(ごじ=誤った治療)で生理機能が衰えた状態、または、失血、大汗、外邪(外からの病気の原因)で、生命活動に必要なエネルギーが不足している状態。
実は、ふだんから頑健で、生理機能も旺盛。外邪にさらされると生体は激しく抵抗し、体に悪いものがたまりやすい。

チャングムはここまでで、陰陽五行、八綱弁証、気血水、外感内傷、五臓六腑・・・
および、望診の基本を学んでいるようです。
えっつ? 一晩で?!

望診は、直接目で見て観察する診断法です。
診断法には、他に聞診・問診・切診があります。四診といわれます。
切診には脈診と触診があります。
チャングムがつぎに学ぶのが脈診ですね。

ここまで、ずいぶんいろいろ出てきましたね。
でも、大丈夫。
チャングムと違って、体質の異なった大勢の患者さんを診るわけじゃないですから。
せいぜい、自分と家族の体質をみて、正常か、正常じゃないか、
ほおっておいても治る状態か、急を要する病気かなどを判別して
応急手当、養生法などが分かればいいんですよね。

家族はだいたい体質が似ていますから、
両親を観察すれば、子供たちはどちらかに似るか、どちらかの祖父母か、兄弟に似ています。
食事、生活環境などの要因は、おそよ同じ。

ということは、東洋医学の基礎を学んで、証を何パターンか覚えておくと、
かなり役立つかも・・。

2006年06月08日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い 医女修行(1)五色診

宮廷での勢力争いから、あらぬ嫌疑をかけられたチャングムは、スラッカン(水刺間)の女官から奴婢に身分を落とされてチェジュド(済州島)に流されます。
チェジュドは、韓国の南にある島で、東に向かうと近くに長崎県の五島列島がある、
古くから流刑の地とされていたところ。

チャングムは数度の脱出をはかった後、医女になると宮廷へもどる道が開けることを知り、チェジュドの医女チャンドクの弟子になります。

奴婢が医女に・・・

当時は、人の体に触れる職業は卑しいこととされ、妓生(芸妓と娼婦を兼ねる)と同じ扱いをされていた由。
身分の低い、最下層の奴婢のする仕事だとされていました。
また、女性が男性の医師に体を触れさせることも恥ずべきことだとされていたため、治療を受けずに命を落とす女性たちが多く、15世紀初めに王が定めた朝鮮王朝独特の女性医師の制度が医女なのです。

さて、
わけありの医女、チャンドクの教え方がすごい。

第30話:新たなる挑戦
ご覧になっていて、チャンドクがチャングムに教えていた「五色診」、顔色の種類、患者の特徴を聞き取れました?

顔色は青、赤、黄、白、黒の五種類に分けられ、これを「五色診」という。

 青=寒証
  お血(おけつ)*、通風 ひきつけが考えられ、患者の顔や肌、手足の爪、唇にあらわれる
 赤=熱
   体内にこもる実熱と、からだが弱って出る虚熱がある
   実熱は、目、唇、舌が赤く、重くなると顔全体が赤くなる
   軽い虚熱は、頬骨のあたりが午後から赤くなる
 黄=虚証、湿証、黄疸
   黄疸には陽陰がある
 白=虚証、寒証、脱血、脱気  
 黒=腎虚、寒証、水利、お血(おけつ)、痛証
   かぜ、脳卒中の前兆

「内因」こころと体の関係:
怒りは肝臓、憂いは肺、喜びは心臓、思考は脾臓、悲しみは肺と関係。
肝臓が弱いと悲しみを感じやすい。
おそれは、腎臓と胃からうまれ、
驚きは血の陰と気の陽の気運が混じわって起こる。

チャングムは本を一冊わたされ、これを翌日までに暗記するよう言われます。


医女編は、字幕スーパー版が見たい・・。
*「おけつ」のおの字が出ません。病だれに於と書きます。


2006年04月26日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い

大長今(テ・ジャングム)。
ジャングムとは誰? 韓国語は、言葉が語頭にくると濁らずに発音し、ジャングムはチャングムとなります。
「テ」は「大」という意味。つまり、大長今は「偉大なるチャングム」。
王様を大王というのに似てますね。

チャングムは実在の女性です。
物語は、朝鮮王朝、16世紀初頭の中宗時代に活躍した女性のサクセス・ストーリー。
10歳で宮廷に入り、女官として栄辱にまみれながら頭角を現します。
陰謀により宮廷を追われてからは漢方を学び、後に多くの男医官たちを抜いて中宗王の主治医となります。
身分の低い出でありながら、しかも男尊女卑の封建社会で、医官として最高の地位にまで上り詰めた女性なのです。
ドラマ前半の「料理人」という設定はフィクション。



医食同源、つまり医と食は表裏一体の関係という考え方が韓国では根付いています。
「宮廷女官チャングムの誓い」の宮廷料理でも、王の健康を気づかった薬膳がよく出てきます。

ドラマを楽しみながら、健康を考えた食事のあり方も自然に身につくというわけです。
薬草についてはこれまでもたびたび出てきましたが、ドラマ後半の医女になる特訓が楽しみです。
日常生活に密着した病気を主に扱っていますので、家庭でも大いに役立つはず。

韓国では老若男女の幅広い支持を得て最高視聴率57%を獲得。
日本でも、すでに衛星放送で2回放送しているにもかかわらず、地上波で放送されるや、たちまちトップ10入りする高い人気を誇っています。

冬ソナに始まる韓流ドラマとは趣きが異なって、男性ファンも多いのが特徴。
韓国で国民的人気を誇る女優、イ・ヨンエがチャングムを演じています。


イ・ヨンエ来日!!

5月8日、NHKの<スタジオパークからこんにちは>に生出演します。
NHKの<スタジオパークからこんにちは>は、毎週月曜から金曜日午後1時5分から50分間放送されています。

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