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2006年07月02日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(14)理論編:五行

後にとっておいた理論編です。

〈弁証論治〉は、これまでみてきました。

〈弁証論治〉の〈弁証〉は、四診による証の診断のことで、
症状だけでなく、陰陽、虚実、寒熱、表裏で病気の経過の状態も表します。
弁証により把握された証が病名であり、方(ほう)が決まります。
方(ほう)とは、「治療に当たって何をなすべきか」の指示で、
薬、鍼、灸、指圧、食養などが含まれます。


ここでは、〈陰陽五行〉学説と〈五臓六腑〉の理論のうち、〈五行〉を調べてみます。


五行(ごぎょう)

〈五行〉〈陰陽〉は、〈陰陽五行〉説として、〈五臓六腑〉の理論と並んで東洋医学(中医学)の中核をなす理論であり、
証を見る基礎となります。

〈陰陽五行〉学説は、長期にわたり自然現象を観察して導き出した宇宙間のすべての物事や変化を法則づけたものです。

〈五行〉思想は、万物は木・火・土・金・水の五種類の元素からなるとし、
その運行と相互関係を説く自然哲学思想です。
五行の互いの関係には「相生」「相克」「相乗」「相侮」という性質があります。


[自然界の現象と人体の陰陽]

自然界の陰陽
陰=暗・柔・水・冬・夜間・裏・上に上がる・寒・拡張性・静・音・植物・女・内
陽=明・剛・火・夏・日中・表・下に下がる・熱・収縮性・動・光・動物・男・外

人体の陰陽
 陰=裏・下半身・腹部・臓・血・低・静的・抑制・衰退・精神
 陽=表・上半身・背部・腑・気・高・動的・興奮・亢進・肉体

[自然界の法則と人体の五行]

 五行色体表は、五行と自然、人体の関係をまとめたものです。主なものを示します。

五行色体表
五行   木    火    土   金   水
五星   木星  火星  土星  金星  水星
五方   東    南   中央   西   北
五時   春    夏   土用   秋   冬
五臓   肝    心    脾   肺   腎
五志   怒   喜笑   思   悲憂   恐
五腑   胆   小腸   胃   大腸   膀胱
五色   青    赤    黄    白   黒
五味   酸    苦    甘    辛   鹹
五悪   風    熱    湿    寒   燥
五体   筋(膜) 血脈   肌肉  皮毛  骨(髄)
五根   目    舌    唇    鼻   耳
五支   爪    毛   乳・唇   息   髪
五声   呼    笑    歌    哭   呻
五神   魂   神(性)  意(智)  魄   精(志)
五指   薬指  中指  人差指 親指  小指

五行の相互関係

 相生=相互に助け合い促進する関係
 相克=相互に抑制し合う関係
 相乗=過剰な相克関係
 相侮=正常な相克関係が逆方向になった状態

相生には方向、順序があります。
  木→火→土→金→水
 ↑            ↓ 
   ← ← ← ← ←

 木生火(木は燃えて火を生む)
 火生土(燃えて灰が残ると土になる)
 土生金(土からは金属を得る)
 金生水(金属の表面からは水を得る)
 水生木(水は木を養う)

相克は、木・火・土・金・水を一つ置きに抑制する関係です。

 木克土(木は土をやせさせる)
 土克水(土は水を制する)
 水克火(水は火を消す)
 火克金(火は金属を溶かす)
 金克木(金属は木を負かす)

人体の五臓六腑の関係も、自然界の五行の運用に当てはめて解釈し、
生理、病理、病因、診断、治療面で大きな影響をもち、広く運用されています。

2006年07月04日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(15)理論編:五臓六腑

「チャングムの誓い」でよく出てくる、肝、脾、心、腎といったことばは、
現在、西洋医学で用いられる臓器の名称とは異なっている場合があります。
ここでは、それぞれの意味を調べてみました。

五臓六腑は内臓のことで、中身の詰まった状態の肝・心・脾・肺・腎を五臓といいます。
後天の精気(呼吸、飲食物によるエネルギー)の貯蔵・分泌・生成を行っています。

腑は、管や袋のように中は空間で、五臓の補佐をしながら、消化・吸収・排泄などを行っています。
胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦を六腑といいます。

西洋医学の臓器の名称と異なり、東洋医学では機能的なものを指しています。

五臓六腑弁証は、感染症を除いた内科疾患の治療法をきめるのに用いられ、
疾患の場所、特性を明らかにします。

臓や腑の病変は、単独ではなく、いくつかの臓腑の失調として現われます。


五臓六腑の陰陽五行

  五行      木   火    土    金    水
陰 ・五臓
   肝   心    脾    肺    腎    心包
陽 ・六腑   胆   小腸   胃   大腸   膀胱   三焦

心包(しんぽう)
 心臓を包んで守るとされる架空の臓器です。
 鍼灸の経絡にはこの心包経があり、弱ると現れる症状は、動悸、顔面の赤み、目の黄ばみ、みぞおちの痛み、手のほてり、脇下の腫れ、神経症などです。

三焦(さんしょう)
 「名のみありて形なし」といわれていますが、「気」・「血」・「水」の道のことであり、西洋医学的には自律神経系に似ています。
 いくつもの臓腑がかかわりあっていて、体の重要な機能を調整しています。


五臓の特徴
 
 肝=血液を貯蔵、筋腱を支配。精神活動を支配。自律神経系の機能。肝胆は表裏一体。

 心=血脈循環。意識と精神活動、五臓六腑の働きを統制。心と小腸は表裏一体。

 脾=食物の消化吸収、輸送。水分代謝の一部。四肢と筋肉を支配。脾と胃は表裏一体。
 
 肺=気を主り、心をたすけて臓腑・器官の機能(気)を調節。肺と大腸は表裏一体。

 腎=生命維持機能、内分泌系、泌尿器系、神経系、ホルモン系。発育・老化、生殖。
   水分代謝の調節。骨、骨髄、脳と深く関係。腎と膀胱は表裏一体。

 心包=心の外衛、喜怒哀楽などの感情を発露。

六腑の特徴

 胆=胆汁の貯蔵・排泄。肝の支配を受け脾胃の消化機能を正常に維持する。

 小腸=食物を受入れ、清(水様のもの)・濁(固形様のもの)に分離し大腸と膀胱に送る。
   心に熱があると尿が濃い黄色になったり、排尿痛がある。便は乾燥。

 胃=陰食物の初期消化。脾と共同し消化・吸収にあたる。胃の気は下降するのが正常。
   逆になると、吐き気、嘔吐。

 大腸=消化吸収された後の残渣を体外に送り出す。

 膀胱=小腸から送られてきた尿を溜め,腎気の作用で体外に排泄する。

 三焦=体温調節・気血水の調整、輸瀉作用。自律神経系の機能を包括したもの。
   水分代謝全般。

2006年07月07日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(16)理論編:病因〈外因〉

東洋医学では、病気になる原因(病因)を邪気(じゃき)といい、
邪気に対抗する生体の抵抗力を正気(せいき)としています。

邪気と正気の強弱関係で発病するかどうかが決まります。

疾病は、正気が衰えた場合(正気虚)、邪気が勝る場合(邪気実)の二つのパターンが現われます。
治療は、正気が衰えたものには補う作用の「補法」を、邪気の強いものには攻撃療法で「瀉法」を用いるのが二大治療法則となります。


病因の分類

体外の原因(外因)よる「外感」と、体内の原因(内因)である「内傷」に分類する方法が、
古来よりよく用いられています。

「外感」は、六淫(病邪)、ウイルスなどによる感染症、外傷、寄生虫による外的な刺激。「内傷」は、感情、生活背景などの内的素因。

[外因]

自然の気候、気象現象を「風、寒、暑、湿、燥、火」の六つに分類し、これらを六気と
いいます。
気候の変化が著しい場合や、人体の抵抗力が衰えている場合は、
六気は風邪(ふうじゃ)・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・火邪(熱邪)の六つの邪気となって人体に影響を及ぼし、病気の原因になります。
これらの邪気を六淫(りくいん)といいます。
人体の中では自然の現象に似た現象が起きています。

    季節と気象の関係

     季節      気象
 春     2〜4月    風
 夏     5〜7月   暑・火
 長夏(梅雨時) 7月     湿
 秋     8〜10月    燥
 冬     11〜1月    寒


風邪=軽い。変化。患部は固定しない。
   体表から侵入。発病が急速で患部は固定しない。頭痛・鼻・のど・目などに病変。
   痙攣・ふらつくめまい。

寒邪=陰邪。冷え。縮む。痛む。体液の流れを鈍らせる。
   皮膚肌、呼吸器、脾胃に直接侵入。嘔吐・腹部の冷痛。四肢の引きつれ、痛み。

暑邪=激しい熱症状。高熱・顔面紅潮・大量発汗・口渇・脈は数洪大。

湿邪=重い、粘着性、濁る、下降するなどの特徴があり、気の働きを阻害する。
   湿邪が侵入すると、体や四肢に力が入らずだるくなる。関節に停留すると痛む。
   胃部のつかえ感・嘔吐。脾陽を傷害すると下痢・尿量減少・むくみ・腹水。

燥邪=水分が過度に不足すると発病。
   肺は湿を好むので、から咳・喘息などから胸痛する。
   口渇、髪・皮膚のかさつき。肺と表裏関係の大腸に及ぶと大便は出にくくなる。

火邪=火熱は気を消耗し、血流を乱す。
   風・寒・暑・湿・燥の五つの邪気による病気でおきる熱の盛んな状態。
   高熱・悪熱・口渇・発汗・脈は洪数・口腔内や舌にできもの・
   歯茎の腫れや痛み・眼が赤く腫れて痛む・頭痛。
   各種の出血(吐血・喀血・鼻出血・血尿・血便・皮下出血・不正性器出血など)

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(17)理論編:病因〈内因〉〈不内外因〉

〈内因〉

病気になる体内の原因を内傷といいます。
内傷には、感情(七情)が原因となるもの、内生五邪、日常生活に起因するものがあります。

[七情]
 感情の動きが、関連する五臓に影響するとされています。
 病因となる感情は、急激で強烈な精神的衝撃、持続する精神的刺激です。

            感情と五臓の関係

感情    五臓          気 症状
         気が緩む    愉快、意気調和。過ぎると心気が動じる
         気が上る    憤慨。過ぎると肝を病む
 憂・悲      気が消える   憂い、悲しむ。精神の抑制。肺を病む。
 思        気は結ぶ    精神集中、こだわり。過ぎると脾を病む
 恐・驚      気が下り乱れる 急な驚き、恐れ。過ぎると腎を病む


第30話:新たなる挑戦で、チャンドクが心と体の関係を教えていましたが、
ここまでおさらいをしてきて、ようやく概略がつかめてきました。

「医女修行(1)の内因:心と体の関係」でわからなかったことは、
「医女修行(14)の五行色体表と相克関係」を照らし合わせると、解けてきます。


[内生五邪]

 体外からの「六淫」に似た病邪が、体内の陰陽失調で形成されると考えられています。
 これらの邪気(内風・内寒・内湿・内燥・内熱)を、内生五邪といいます。

[日常生活に起因するもの]

食習慣

 飲食の不摂生で疾病が現われやすくなります。
 食べすぎ、飲み過ぎ、偏食などの食習慣は、疾病発生の原因となります。

労逸(ろういつ)

 精神的過労、肉体的過労、性行為の過剰、運動不足などの生活習慣は、病の元です。



〈不内外因〉

内因、外因のほかに、生理的に存在するものが、代謝異常で生じた病理的産物も病因となります。
水液代謝の異常で発生する異常体液を「痰飲」(たんいん)といいます。
全身を循環している血(けつ)が停滞あるいは経脈からはずれて滞留するものを「お血」(おけつ)といいます。

「痰飲」「お血」は、体内であらたな病気をつくる重要な因子となります。

2006年07月13日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(18)五臓五腑と五味

医女修行(14)の五行のうち、五臓五腑と五味の関係をさらに調べてみます。
五味(酸・苦・甘・辛・鹹)は、五臓五腑にどのように影響しているのでしょうか。

          五行色体表
五行   木   火   土   金   水
五臓   肝   心   脾   肺   腎
五腑   胆   小腸  胃   大腸  膀胱
五味   酸   苦   甘   辛   鹹
五色   青   赤   黄   白   黒


五味の特性

 酸=肝・胆の働きをよくする。過ぎると脾を傷める。
   内臓の熱を収める。下痢を収める。解毒作用、疲れを取る。
 苦=心・小腸の働きをよくする。過ぎると肺を傷める。
   湿熱を除く。乾燥する。堅くし排泄する。
 甘=脾・胃の働きをよくする。過ぎると腎を傷める。
   体力を補う。緊張を緩める。
 辛=肺・大腸の働きをよくする。過ぎると肝を傷める。
   温める。熱を発散する。小便を出す。
 鹹=腎膀胱の働きをよくする。過ぎると心を傷める。
   潤す。柔らかくして下す。

酸味、甘味、苦味、鹹味を控えると心神は爽快になり、五味が過ぎるとそれぞれの臓腑に害を及ぼし、相克関係にある臓腑を傷めます。
鹹(かん)は、塩辛いの意。
塩は塩化ナトリウムではなく、ミネラル分を含んだ天然塩。


飲食物の五味による分類

 [酸] 梅、りんご、モモ、スモモ、杏、みかん、ゆず、レモン、金柑、橙、酢など
 [苦] ビール(ホップ)、レバー、レタス、ゴーヤ、新芽のタケノコ、フキノトウ、ほうれん草、春菊、ラッキョウ、銀杏、びわ、セロリ、ピーマンなど
 [甘] 梨、葡萄など甘い果物、蜂蜜、砂糖、米、豆類、ゴマ、トウモロコシ、サツマイモ、
    ジャガイモ、山芋、かぼちゃ、人参、白菜、トマト、なす、椎茸、胡麻、豚肉など
 [辛] 焼酎、日本酒、サトイモ、ねぎ、にんにく、しょうが、唐辛子、香辛料、ニラ
 [鹹] ミネラルを含む天然塩、海藻、蟹、牡蠣、みそなど


「チャングムの誓い」に出てくる、色とりどりの宮廷料理は、
陰陽五行説にのっとって作られていたのですね。

和食の定式だと思っていた五味五色五法は、
韓国でも伝統的におこなわれていたのです。


ちなみに、「煮る」「焼く」「蒸す」「揚げる」「生のまま」
という5つの調理法のことを五法といいます。

家庭でも、体調を整えるのに応用してみましょうか。


2006年07月18日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(19) 牢脈と散脈、失笑散と仏手散

流産した後の皇后様の様態が思わしくありません。第35話で、ヨリの脈診は渋脈でした。
第36話時の脈診は、こう脈と牢脈。
会議の結果、処方は失笑散(しっしょうさん)にきまりました。

鍼のツボは、内関(ないかん)と陰陵泉(いんりょうせん)。

鍼を打ったとたん、皇后さまは戻されます。
チャングムはヨリの診断に疑問を抱いていて症例を調べます。

ヨリとチャングムの二人に再度診察をさせて、御簾の向こうから医師たちが、立ち会うことに。

顔色は赤みがあって青い。
腹部は冷たい。
歯茎は紅色。鼻の中が異常に充血。
舌には何も出ていない。
脈診は眼を閉じて指先に精神を集中します。

ヨリの診断は「沈んでいるが力があるので牢脈(ろうみゃく)に違いない」と。
チャングムは「まるで汁を煮ていると、具の肉が浮かんでくる感じですが、浮かんでいるものの力が無い。脈も散る。」
さらに続けるようにいわれたチャングムは、
「指先に力を入れ圧迫すると、指いっぱいにあふれる感じ。
脈が散ってしまい、集まらず、一定しておらず、散漫として根っこの無い感じです。」

「ヨリの診断で失笑散を処方しても病状は改善しない」
主治医のウンベクは、
散脈を採用し、仏手散(ぶしゅさん)を処方することに。

鍼のツボは、合谷(ごうこく)と三陰交(さんいんこう)。

二日後、胎内でなくなった胎児が出てきます。
散脈はめったに見ることは無いという難しい脈でした。


失笑散の効能と構成生薬

 膀胱炎、尿道炎による血尿、産後の悪露、下腹部痛などに。
 蒲黄(ほおう):ガマの成熟花粉を乾燥したもの。収斂止血、活血去お、子宮収縮作用
 五霊脂(ごれいし):オオコウモリの糞便を乾燥したもの。月経困難・月経痛、産後の悪露停滞による下腹部痛。濁気をおろし、陰陽を調和する。

仏手散の効能と構成生薬

 婦人の心腹満痛、経脈不調、出産前後の諸症状、胎動下血、逆子、死産など。
 川弓(せんきゅう):セリ科。駆お血、補血、鎮静、鎮痛薬。貧血症、冷え症、月経不順、月経痛など.
 当帰(とうき):セリ科。補血、強壮、鎮痛薬として婦人病など。血色不良、冷え症、血行障害など。

 川弓・当帰は少量だと活血補血・調経作用、分量が多いと活血下胎。

 
牢脈のときと散脈のときとで、鍼を打つツボが異なりました。
ツボの違いはどこからくるのでしょう。
つぎに調べてみます。

2006年07月19日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(20) 陰陽五行とツボ

牢脈のときと散脈のときとで、鍼を打つツボが異なりました。
ツボの違いはどこからくるのでしょう。
調べてみます。


経絡とは、気・血の循環する通り道のことです。
経脈は主となる通り道、絡脈はその支線とイメージすると分かりやすい。
ツボは経穴(けいけつ)といわれ、気を敏感に察知するところです。


電流を使った実験で、ツボに当たるところは電気抵抗が弱いということが分かっているそうです。
この実験については、別の機会に調べたいと思います。


経脈には十二の正経(しょうけい)と八つの奇経という経脈があります。

正経は、肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経、胆経、肝経、心包経、三焦経の十二脈。
八つの奇脈は、経穴を持つ督脈、任脈の二つを治療に用います。

正経は三陰三陽(太陰、少陰、厥陰、太陽、陽明、少陽)に分けられ、手、足それぞれの三陰三陽の属する経脈につらなります。

そして、陰経は臓に属し、陽経は腑に属します。
臓腑の陰陽については、チャングム医女修行(15)でみてきました。


鍼灸だけでなく、漢方薬の効き目も、この経絡に沿ってあらわれるということです。
現代医学では無関係と思える症状が改善されるのをみると、これで納得です。


内関(ないかん)と陰陵泉(いんりょうせん)

内関は、内側手首の横紋から上に向かって指幅2本分上がった所にあるツボ。
内関の「内」は内臓の意で、内臓機能と深く関係するツボです。
手厥陰心包経(けついんしんぽうけい)という経絡にあり、
心臓疾患、嘔気、吐気、悪疽、心窩部重圧感、上腹部の脹り、腕関節疾患、手指のしびれなどにもちいるツボ。

陰陵泉は、膝下の脚の骨の内側のくぼみにあるツボ。
膝の痛みのほか、胃腸の不調により蓄積した余分な水分を排泄します。
膝関節炎、膝関節リウマチ、下腿の痛み、遺尿症、尿閉、下腹痛、腰痛などのツボ。


合谷(ごうこく)と三陰交(さんいんこう)

合谷は、手の背面の親指と人差し指の間にあるツボ。
手陽明大腸経にあり、大腸の働きが調整されるため、排便を通じて身体の解毒作用が活発となり、血流がよくなって血圧が安定する。
頭痛、眼精疲労、歯痛、喉の痛み、鼻づまり、手のしびれなどのツボ。

三陰交は、脾、肝、腎の共通点です。
膝下外側の指3本分下の骨と骨のあいだにある。三陰交の三陰は、足の厥陰肝経、少陰腎経、太陰脾経の三つの陰の経絡で、「交」は交わるの意。
このツボ一つで三つの経絡の効果が期待できる重要なツボです。

男女生殖器疾患、冷え性、消化不良、更年期障害、生理不順、帯下、難産、不眠、帯下、下腹膨満感、陰萎、遺精、尿道炎、冷え症、足関節痛、脚気、糖尿病など。


MEMO

PCのし過ぎで手指の感覚がなくなったときに、ボールペンで合谷をためしてみると、確かに効き目がありました。内関のうらがわ(外関)もよく効きます。
痺れを感じるようになりましたから。
もう一箇所、肘を軽く曲げてできた指三本下のくぼみのところを押すと
筋に沿って心地よい痛みが走って、丸まっていた指が伸びるようになりました。
病院に行っていないので病名はわかりません。たぶん、腱鞘炎。
どの指に痛みがくるかによって、経絡は異なっているようですが、
とりあえずは、押して痛みが走り心地よいところは効き目があるということが分かりました。

2006年07月20日

再生医療

再生医療(さいせいいりょう)

胎児期にしか形成されず、怪我や病気で欠損した場合、再度生えてくることのない組織や器官を再生し作り直す治療法。

身体を構成するあらゆる細胞へと分化が可能なES細胞(胚性幹細胞)は、受精卵から分裂の過程で取り出されることから、ES細胞を用いた再生治療は倫理的に問題視されている。

最近の研究で、成人にもES細胞ほどではないものの、さまざまな細胞に分化する細胞がみつかっており、体性幹細胞と呼ばれている。

自己のわずかな細胞をシャーレ上で培養したり、器官・組織の再生を促す生理活性物質を注射するなどの方法がとられる。
広範囲火傷の患者に皮膚培養で増殖させた表皮細胞を用いる例や、狭心症患者自身の細胞を用いた成功例などがある。

ほかに、骨、歯の移植や、肝臓、腎臓、脳細胞、脊椎損傷、白血病などの研究が進められており、角膜移植に自己細胞の再生角膜を用いる研究などとともに、実用化は近いと見られている。


posted by えっちゃん at 20:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 再生医療

2006年07月21日

アンチエイジング(1)

anti-=反対、敵対を意味する接頭辞
aging=加齢

老いに抵抗する。
学問としてのアンチエイジングは、抗加齢医学。
病気を治す医学から、健康な人をさらに健康にする医学へと思考が転換してきている。
東洋医学の「未病を治す」と通ずる予防医学。

「バランスよく老いて元気に長寿を享受する」ことを目指す学問だ。
(日本抗加齢医学会

取り組んでいる専門分野は多岐にわたり、
眼科、内科、形成外科、歯科、栄養などさまざまだ。

女性のための抗加齢医学は、とくに馴染み深い。
シワとりを目的とするヒアルロン酸、コラーゲン、A型ボツリヌス毒素(ボトックス)の使用法、シミの取りかたの研究も進んでいる。

老化の原因と考えられる「ホルモン低下」「酸化ストレス」「免疫力低下」については、すでに他の分野で多く耳にするテーマだ。

ホルモン低下にたいしては、更年期障害治療法の一つとして、ホルモン補充療法(HRT)が馴染み深い。
ホットフラッシュ、発汗、うつ症状の改善や、骨粗鬆症の予防、抗高脂血症効果など。

平成14年、米国国立衛生研究所が行っていたHRTの大規模臨床試験中止の報告があった。
ベネフィット(利得)より、リスクが上回る結果が出たということだ。
日本女性の体質生活習慣から見て、すぐわが国でも当てはまるかどうか疑問視されるところ。(詳しくは、日本産科婦人科学会で)



遺伝子研究の成果は、老化の秘密にもせまる。

老化の設計図は、細胞に組み込まれていた!
染色体の端で細胞の分裂回数をカウントする“老化時計”テロメアが発見された。
染色体末端を保護しながら、細胞分裂ごとにテロメアは短くなる。

寿命延長は可能か。最新医療が実現する若返りとは。
『老化時計―寿命遺伝子の発見』 に詳しい。

ダイエットで寿命が1・5倍に延びる?
脳の中の長寿のカギ―「海馬」の学習効果
ホルモン補充療法による若返りは可能か
最先端医療で寿命を延ばす
ついにヒトでも発見された長寿遺伝子
(目次から抜粋)



posted by えっちゃん at 12:30 | Comment(2) | TrackBack(5) | アンチエイジング

2006年07月22日

アンチエイジング(2)キレーション療法

「キレーション療法」というのは耳新しい。
米国では50年ほど前から臨床効果のある代替医療とされているそうだ。
合成アミノ酸である静脈点滴キレート剤を用いる療法。

 水銀、鉛、アルミニウム、スズの有害金属の体外への排泄
 活性酸素除去、免疫機能の改善
 血管内に老廃物の付着を防ぐ

その結果、各臓器への血流が増して臓器機能の改善が期待できる。
肌への血流も向上、角質代謝がよくなり、吹き出物やくすみ、くまなどを改善する。

心臓疾患治療では、心臓バイパス手術の約十分の一程度のコストで、
外科的手術をせずに安全に機能を回復させるための治療法として、
米国では、過去30年間に40万人の患者に治療実績があるという。

水銀中毒性の自閉症治療にも用いられ、キレート剤により水銀を尿中に排泄させる。


今まで医療として積極的に介入してこなかった分野にも眼が向けられている。

「サプリメント指導を含む栄養指導」
生活習慣病の予防を目的とした食生活の改善、サプリメントなどによ抗酸化ビタミンの栄養補助療法を指導。

「運動、ストレスケア」
健康増進のための運動療法。

歯科領域では、
「顎関節症など歯科的身体症状に対する口腔外科療法 」
「加齢による脳神経系失調に対する神経内科療法 」
脳神経系とは、嗅神経、視神経、動眼神経、三叉神経、顔面神経、内耳神経、舌咽神経、迷走神経など。
嗅覚、視野、眼の対光反射・調節反射、顔面感覚、下顎運動、舌の味覚、平衡感覚などに関係している。

「見た目の美しさを保つための美容形成外科療法」
これも、アンチエイジング医学に含まれました。


健康長寿という目標は、単に医学的なアプローチにとどまらず、その人の「生き方のベクトル」
と考えるのは、
『最新長寿医学がみつけた「老い」に勝つ!10の秘訣』
の坪田一男先生。

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2006年07月23日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
医女修行(21)食医

皇太后様の容体は思わしくありません。

皇太后は王の政策をくつがえそうと、治療を拒みます。
チャングムは賭けを申し出ます。
謎が解けたらチャングムは罰を受けます。
謎が解けないときは、皇太后様は治療を受けることに・・

「その方は古くからの食医でした。またその方は、一家の僕でした。
あらゆるつらい仕事を引き受け、同時に家族全員の師匠でもありました。
その方が生きている間は、この世は山であったが、
なくなると水に沈んだということです」

さて、その人の名は。

皇太后様は答えを言わず、治療を受けることに。

謎のはじめに、「古くからの食医でした」とあります。
謎の人物は、「偉大な方」のようですから、「食医」も偉大な存在に違いありません。

調べてみると、「医」にもランクがありました。
食べ物で治す食医が一番、薬を使って治す疾医が二番、外科的な治療をする傷医が三番、獣医が最後です。
東洋医学は陰陽五行の思想が根底にあり、獣は人の下にくるわけです。

中国の周の時代に、皇帝の健康を守る最も重要な任務にあたる「食医」の存在が記録されています。
「未病を治す」は名医、発病してから直すのは凡医とされていたということからも、
食の位置づけがうかがえます。

食も薬も源は同じ、食により、病を未然に防ぎ、健康を増進する。

医食同源という言葉は、薬食というと、西洋薬の薬と混同されそうなので、
誤解を避けるために作られた日本の造語である、という語源の研究をみつけました。
医食同源の思想−成立と展開http://www.hum.ibaraki.ac.jp/mayanagi/paper04/sinica98_10.htm

言い方はともかく、考え方は同じということで、納得。


謎の答えは、母でした。
王の前でチャングムに謎解きをさせているときの皇太后様の眼差しに、涙。
第37話の泣かせどころでした。

治療の中断中に、皇太后様の病状はすすみ、薬湯も受け付けず、深刻な状況に。

シン・イクビル教授は、
「しばらく様子をみて、すべての症状を治癒できる薬の処方を考える」と。

これなんです。
東洋医学の真髄は。

次週が楽しみです。


2006年07月24日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(22) 薬の上中下

医にランクがあるのなら、薬にも。

最古の薬物書で、全365種の生薬が三ランクに分類されています。
中国の後漢の時代(西暦1〜2世紀ごろ)に書かれた神農本草経(しんのうほんぞうきょう)という書物にあります。

本草(ほんぞう)とは、生薬(しょうやく)のことで、天然由来の医薬品をいいます。
植物、鉱物、動物由来のものがあり、経口剤か貼付薬としてのみ用います。

上薬=上品(じょうほん)は120種。君薬.
長期間、多く服用しても無毒、無害な養生薬。寿命を延ばす長生薬。

中薬=中品(ちゅうほん)は120種。臣薬。
服用の仕方によって毒にも薬にもなる生薬。病気を癒し、体力を増強する。

下薬=下品(げほん)は125種。佐・使薬。
病気を治療することを主としているため、毒性は強く、長期間服用してはならない。
身体的な苦痛を取り除く。

神農本草経には、上薬、中薬、下薬の配合比率が表されています。
処方は、君臣佐使(くんしんさし)の治療法則に基づきます。

君薬は主証にもっとも有用な主薬。
臣薬は君薬を助けて効果を高める薬。
佐薬は君薬を助け、随伴症状や合併症を治療したり、主薬の毒性を緩和する薬。
使薬は諸薬を調和させ、薬物の作用を疾病部位に誘導する働きをする薬。

漢方薬は、複数の生薬の組み合わせによる相乗効果で、よりよい治療が可能なのです。


チャングムの第33話で、シン・イクビル教授が、修練生たちに薬として使う土について質問していましたが、
神農本草経にもかまどの灰についての記述がありました。
下品に分類されていますので、用いるには充分な注意が必要ということです。

ちなみに、韓国の「東医宝鑑(とういほうがん)」では土について18種類言及されているそうです。
東医宝鑑は、1610年に許浚(ホジュン)が完成させた実用的な医学書で、朝鮮医学の集大成といわれ、中国、日本でも広く流布したということです。

「湯液編(全3巻) 薬物に関するもの」の巻1に土部という項目があります。

伏龍肝=古くなった釜下の焚口の土。
東壁土=東側の一番早く日の当たる土壁。
西壁土=日が沈むころ日光があたる壁の土。
好黄土=良い黄土を一メートルくらい掘ったところの、水のしみこんでいない土。
赤土
白亜=白土。焼いて粉にしてから、沸騰した塩水に漬けて天日干し。

・・・・・

イメージがわきません。
土壁の家も現在はみられないし、かまども今は使っていないので、
応用不能。

2006年07月25日

速聴

頭の良さや回転の速さは神経細胞同士のネットワーク化がカギ!

脳も刺激を与えればどんどん活性化するということが、新しい常識になりつつあります。

私たちの脳神経細胞は、全体の3%しか使われていないと言われています。
そして、20歳ごろをピークに毎日10万個ずつ脳細胞は死滅するといわれていました。

今は、「脳は鍛えられる」というのが常識になりつつあります。
脳神経細胞は、聞く、声に出す、書くといったくり返しで脳の各分野を刺激することにより機能低下が防げるというのです。

よりアグレッシブな方法が、速聴です。

神経細胞は、刺激によって神経細胞同士のネットワークがつくられて、はじめて活動を始めます。

速聴は、「火事場のばか力」を脳に応用します。
脳も土壇場になるとフル活動を始め、脳力を高めるというわけです。

速聴を試してみました。
普段の速度の3倍の速さで聴くと、頭は疲れます。
期末試験や、入試の後のようです。

最初に2倍速で聴きますが、そのときに聴き取れなかった言葉が、3倍速で聴いてから再び試してみると、はっきりと聴き取れます。

そして、スイスイ物事を処理していける、と、そんな爽快感がまっています。

ジョギングやエアロビクスで体を鍛えるように、これからは脳のトレーニングもエクササイズの一つとして、普及するかも。

「疲れるので、続けない」でいると、すぐ、元に戻ります。

posted by えっちゃん at 23:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 速聴

2006年07月26日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(23) 衰弱した患者への処方は?

薬を受け付けないまでに弱ってしまった皇太后様には、どのような治療をするのでしょうか。

「処方も大事だが、処方をする時期も大事」とユンス内医官長。

皇太后様は持病(胃と脾臓)に加えて、老衰による気力体力の低下、手足が急にこわばる、息切れ 動悸、腎虚からくる腰痛、視力の低下、お血(けつ)による全身のしびれ、関節炎の悪化、肝臓も悪い。

持病がすすんで、他の臓器まで悪くなり、さまざまな症状が一気に現われている状況。

「鍼を打ってみては?」と医女長。
「鍼は危険。気力が衰えているときは逆効果になる場合がある」とウンベク医務官。

「現われた症状だけを見て治療してはいけません。
病とは急いでも治るというものではありません。
しばらく様子をみて、すべての症状を治癒できる薬の処方を考えます」と主治医のシン医務官。

シン医務官の処方を見る前に、西洋医学と東洋医学の違いを少し調べてみることにします。

漢方薬
 多数の有効成分を含んだ生薬の組み合わせ。
 生薬の薬能が複雑に作用しあって協力的に働く。
 作用は全身に及び、自然治癒力を高める。
 経験により危険な薬物は使われなくなっている(数千年にわたる人体実験済み)。
 体質と症状により処方。

西洋薬
 合成された単一成分(の薬がほとんど)。
 実験的に研究された薬理作用。
 特定の部位に働き、薬の用量に伴った作用の発現。
 作用の強さに比例して副作用も多くなる。
 症状による病名で処方(同じ病名には同じ薬)。



陰陽五行、経絡、気血水などを調べてきていますので、
東洋医学の生薬が病態にどのように効いていくのか、おおよそのイメージはできますね。

皇太后様のように、たくさんの症状を抱えた病人には、西洋医学の処方では薬を飲むだけで、もっと病気が増えそうです。

一つの薬ですべての症状が治まるとしたら、衰弱した患者には福音です。

2006年07月28日

岩盤浴

岩盤浴(がんばんよく)は、サウナ形式の風呂の一種で、
熱せられた鉱石の上に寝ころび、遠赤外線効果で体を温める。

岩盤の遠赤外線の温熱効果は、「まんべんなく」「均一」に体のすみずみにまで及び、体の芯まで温まるので、自律神経や免疫・ホルモン系が働きやすなり、代謝が活発になる。神経痛、冷え性、不眠症の改善に有効。

北海道檜山郡上ノ国町で採掘される天然鉱石ブラックシリカが有名。
ブラックシリカは多くの天然ミネラルを含み、遠赤外線・マイナスイオンなど様々な波動を放射発散するのが特徴である。

また、岩盤浴は、脂肪に蓄積した有害重金属を汗とともに体外に「排出」させる効果があることが医学的に証明されている。

多量の汗をかくため、入浴には充分な水分補給が必要。
15分程度入浴し、休憩する。体調にあわせ2〜3回繰り返す。

蒸発しやすいさらさらの汗であるため、入浴後にシャワーの必要はない。

温泉地では、秋田県玉川温泉が有名。
地熱の高い地帯で、ゴザを引いて岩盤浴を行う。泉質はpH1.2(日本で一番pHの数値が低い)の強酸性。

さまざまな鉱石を使って2004年頃から、遠赤外線効果を狙った装置を導入する店舗が増え、現在では1000施設をこえるといわれる。

ラジウム岩盤浴は放射能の含有量に注意が必要と思われる。

posted by えっちゃん at 23:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 岩盤浴

2006年07月30日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(24) 脚気入心と丸薬(1)

「皇太后様は、突然意識が朦朧となり、うわごとを言い、重湯も戻してしまわれました」

医務官たちが治療方針を検討しているところに、付き添っていた医女が容態の急変を知らせます。

下腹部に感覚がない、ひざと足首が曲がりにくい、脚がむくんでいて力が入らない。
微熱・悪寒・発汗がある。
脚気(かっけ)でした。
治療を拒否している間に、脚気は一気に進行し、ついには心臓が肥大し、脚気入心(かっけにゅうしん、脚気衝心)になってしまったのでした。
死亡することもある、重篤な容態です。


『家庭医学百科』で「脚気」を調べてみると、
項目がありません。
「栄養障害による病気」の項に、ビタミンB1欠乏症として出ていました。

症状は、
「下肢がだるく、疲れやすい、手足がしびれる、動悸がする、動くと息切れがする、食欲不振、下肢のむくみなど」があり、
「さらに進むと足を動かす力がなくなり、膝蓋腱反射(腱反射)が出なくなり、また視力も衰える」。
「昔はかっけ衝心といって突然胸苦しくなり、心臓マヒで死ぬことがあった」
と出ています。

チャングムは皇太后様の偏食に気づきます。
もともと、脾臓と胃が弱く、消化吸収に問題があるうえに、病状によい食べ物はことごとく嫌い。

チャングムは、スラッカンで鍛えた料理の腕と食材の知識で、
お菓子のようにおいしい丸薬をつくります。

材料:ニンニク・緑茶・米糠・干しナツメの果肉。


2006年07月31日

チャングム 『大長今』宮廷女官チャングムの誓い
  医女修行(25) 脚気入心と丸薬(2)

チャングムは、お菓子のようにおいしい丸薬をつくります。
この材料なら、私も・・

[材料] ニンニク・緑茶・米糠・干しナツメの果肉


各食材の成分と薬効

・ニンニク:漢方の生薬名は「大蒜(たいさん)」
  ニンニクに含まれるアリシンという成分が、幅広い薬理効果を持っています。
  新陳代謝を促し、体力増強や疲労回復効果、抗菌活性作用など、
  様々な効果を発揮します。
  加熱すると、臭いは弱くなるが、抗がん作用もなくなるという研究結果も。
    
・ナツメの果肉:漢方の生薬名は「大棗(たいそう)」。
  種子は生薬名を酸棗仁(さんそうにん)といって酸味があります。
  大棗は、強壮作用・鎮静作用、補性作用・降性作用をもち、
  胃腸が弱い、食欲不振、下痢などの消化器系の不調を整える。
  果糖、ブドウ糖などを多く含み、甘い。
  ビタミンB1、Cやカルシウム、鉄、リンなども含む。

・米糠:米糠にはチアミン(ビタミンB1)が多く含まれる。
  ニンニクに含まれるアリシンと結合すると吸収効率がよくなります。
  ビタミンB1は、脚気の特効薬です。
  食物繊維を多く含み便通を整えます。
  食後の血糖上昇抑制、血中コレステロール値低下、血圧降下作用などがあります。

・緑茶:緑茶に含まれるフラボノイドに消臭効果があります。
  他にカテキン、ビタミンC,ビタミンB群、アミノ酪酸などを含む。
  抗酸化、抗突然変異、抗がん、血中コレステロール上昇抑制、血糖上昇抑制、
  血小板凝集抑制、抗動脈硬化、抗菌、腸内細菌叢改善、抗アレルギー作用など。

材料すべてに薬効がありました。

[作り方]
蒸し器に緑茶を入れ、その上にニンニクを乗せて蒸してつぶし、生薬でもあるナツメの果肉で甘く味付けをして、米糠を練り合わせると食感は栗の実のよう。

お菓子作りの上手なチャングムならではの丸薬でした。

皇太后様の脚気入心(かっけにゅうしん)は無事治まって、食欲も出て薬湯も飲み下せるようになりました。

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